神戸山口組の歴史を理解するには、2015年8月の六代目山口組の分裂までさかのぼる必要があります。
2015年8月27日、六代目山口組から直系組長13人が離脱し、神戸山口組を結成しました。新団体の代表には井上邦雄氏が就任しました。この出来事を境に、国内最大級の暴力団組織だった山口組は、二つの対立する団体に分かれることになります。
分裂の理由として報じられた背景当時の報道では、分裂の背景として、六代目山口組の組織運営に対する不満が指摘されていました。
特に取り上げられたのが、六代目山口組の組長・篠田建市氏の出身母体である弘道会を重視する運営方針や、傘下組織に求められる高額な上納金制度への反発です。
ただし、分裂は一つの出来事や一人の人物への不満だけで説明できるものではありません。組織運営、資金負担、主導権をめぐる不満などが複合的に作用したと報じられています。
神戸山口組をめぐる主な出来事と組織間の関係警察庁の組織犯罪情勢資料と当時の報道をもとに、主要な転換点を整理します。
| 年月 | 出来事 | 組織間の関係・意味 |
|---|---|---|
| 2015年8月 | 六代目山口組から13団体が離脱 | 神戸山口組が結成される |
| 2016年3月 | 警察庁が対立抗争状態と判断 | 六代目山口組との対立が明確化 |
| 2016年4月 | 神戸山口組を指定暴力団に指定 | 暴力団対策法上の指定対象となる |
| 2017年4月 | 一部勢力が任侠山口組の結成を表明 | 神戸山口組からの分裂が発生 |
| 2018年3月 | 任侠山口組を指定暴力団に指定 | 三つの団体をめぐる対立構図へ |
| 2020年2月 | 任侠山口組が絆會に改称 | 団体名称が変更される |
| 2020年7月 | 池田組が神戸山口組からの離脱を表明 | さらに組織関係が変化 |
| 2021年11月 | 池田組を指定暴力団に指定 | 独立した指定団体となる |
| 2025年4月 | 神戸山口組が4回目の指定を受ける | 指定暴力団としての地位が継続 |
| 2026年9月 | 六代目山口組との特定抗争指定を延長 | 対立関係に対する法的規制が継続 |
この年表から分かるのは、神戸山口組の変化が六代目山口組との二者間の対立だけでは説明できなくなったことです。
2017年には任侠山口組、2020年には池田組の離脱という動きがあり、分裂後の組織関係は複雑化しました。任侠山口組は2020年2月に絆會へ名称を変更しています。
警察庁の資料でも、これらの出来事は山口組分裂後の主要な組織変動として整理されています。
【六代目山口組との関係】2026年も特定抗争指定が継続

2026年の神戸山口組をめぐる重要な動きが、六代目山口組との特定抗争指定暴力団等への指定です。
両団体は、2015年の分裂以降、対立関係にありました。2019年4月以降には拳銃を使用した事件などが相次ぎ、地域社会に大きな不安を与えました。
この状況を受け、兵庫県などの公安委員会は2020年1月7日、両団体を特定抗争指定暴力団等に指定しました。
2026年9月に27回目の延長神戸新聞NEXTの2026年9月17日付報道によると、兵庫県公安委員会は六代目山口組と神戸山口組に対する特定抗争指定の期限を3か月延長することを決定しました。
延長後の期限は2027年1月6日です。両団体への指定は2020年1月7日に始まり、今回が27回目の延長となりました。
指定は兵庫県を含む9府県の公安委員会によって行われ、警戒区域は合計17市町に及びます。
また、2025年4月に六代目山口組が兵庫県警に抗争終結の宣誓書を提出した後、抗争事件は確認されていないと同紙は報じています。それでも兵庫県警は、両組織の対立が終結したとは認めていません。
兵庫県警暴力団対策課の説明として報じられた判断理由は、両組織の動向などを総合的に判断した結果というものです。
特定抗争指定とは何か特定抗争指定暴力団等とは、指定暴力団同士の対立抗争が激化し、人の生命や身体に重大な危害が及ぶおそれがある場合に、暴力団対策法に基づいて公安委員会が指定する制度です。
通常の指定暴力団とは異なり、指定された団体については警戒区域内での行動に追加的な規制が設けられます。
主な規制対象には、次のような行為があります。
- 事務所の新設
- 対立組織の構成員へのつきまとい
- 対立組織の構成員の居宅や事務所周辺でのうろつき
- 多数での集合
- 対立する団体の事務所への立ち入り
違反した場合には、法律に基づく罰則の対象となる場合があります。
この指定は、団体が解散したことを意味するものでも、抗争が完全に終結したことを意味するものでもありません。2026年11月時点では、神戸山口組と六代目山口組の間で、この特別な規制が引き続き適用されています。
【指定暴力団としての現在】暴力団対策法と警察の対応
神戸山口組は、2016年4月に兵庫県公安委員会によって指定暴力団に指定されました。その後も指定の更新が行われ、警察庁の2025年組織犯罪情勢資料では、2025年4月8日に4回目の指定を受けたことが記録されています。
2025年末時点で、全国の指定暴力団は25団体です。神戸山口組もその一つとして掲載されています。
指定暴力団と特定抗争指定の違いこの二つは混同されやすいものの、制度上の意味は異なります。
| 比較項目 | 指定暴力団 | 特定抗争指定暴力団等 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 暴力団対策法 | 暴力団対策法 |
| 主な目的 | 暴力団による不当行為の規制 | 対立抗争による重大な危害の防止 |
| 指定の対象 | 法定要件を満たす暴力団 | 対立抗争が激化した指定暴力団等 |
| 主な規制 | 暴力的要求行為などの規制 | 警戒区域内での追加的な行動規制 |
| 神戸山口組 | 指定対象 | 六代目山口組との関係で指定対象 |
指定暴力団という地位は、暴力団対策法による規制の基本となるものです。特定抗争指定は、対立抗争が激化した場合に追加される規制です。
兵庫県警察と大阪府警察が公表する情報兵庫県警察は、暴力団情勢や指定状況、暴力団排除活動について情報を公表しています。
大阪府警察も指定暴力団一覧を掲載しており、代表者、主たる事務所、勢力範囲、構成員数を確認できます。これらは組織の法的な位置付けや規模を調べる際の基礎資料です。
警察庁の2026年4月公表資料では、神戸山口組の構成員数は2025年末時点で約110人。指定暴力団としての公示情報も掲載されており、2026年3月12日までに官報で公示された名称や代表者等が反映されています。
【プロの結論】神戸山口組の現在の実態を読み解く3つのポイント
2026年の公的資料から見えてくる神戸山口組の実態は、結成当初と比べて大幅に勢力を縮小した一方、指定暴力団としての法的な位置付けと、六代目山口組との特定抗争指定が継続しているというものです。
1. 組織の規模は結成当初から大幅に縮小2016年末に約2,600人だった構成員は、2025年末には約110人になりました。準構成員等を含めても、結成当初とは大きく異なる規模です。
この減少は、山口組分裂後の組織再編、離脱や解散、警察による取締り、暴力団排除活動などが続いてきた状況と重なります。
2. 人数が少なくなっても指定暴力団ではなくなるわけではない暴力団の指定は、単純な構成員数だけで決まるものではありません。法律上の要件を満たすかどうかが判断されます。
そのため、構成員数が減少していても、指定暴力団としての地位が自動的に失われるわけではありません。神戸山口組は2025年4月に4回目の指定を受けています。
3. 抗争の沈静化と法的な終結は別問題2025年4月以降、抗争事件が確認されていないという報道は、地域社会にとって注目すべき変化です。
しかし、2026年9月には特定抗争指定が27回目の延長となりました。事件が発生していない期間があることと、公安委員会が対立抗争の終結を認定することは同じではありません。
今後の動向を見る際には、構成員数の推移だけでなく、指定の更新状況、公安委員会の判断、警察庁の年次統計を合わせて確認する必要があります。
神戸山口組の最新組織図に関するよくある質問(FAQ)
Q1:神戸山口組の最新組織図は公式に公表されていますか?
A1:内部の役職や傘下団体を網羅した最新の公式組織図は確認できません。警察庁や大阪府警察の公表資料では、代表者、事務所、勢力範囲、構成員数などの基本情報が確認できます。
Q2:2026年現在の神戸山口組の代表者は誰ですか?
A2:警察庁の2026年4月公表資料と大阪府警察の指定暴力団一覧では、井上邦雄氏が代表者として掲載されています。
Q3:神戸山口組の構成員数は何人ですか?
A3:2025年末時点の警察庁公表値では約110人です。準構成員等は約170人で、合わせた勢力は約270人とされています。
Q4:神戸山口組は現在も指定暴力団ですか?
A4:はい。2025年4月8日に兵庫県公安委員会による4回目の指定を受けており、2026年の公表資料でも指定暴力団として掲載されています。
Q5:六代目山口組との抗争は終わりましたか?
A5:2026年9月の報道では、2025年4月以降、抗争事件は確認されていない一方、公安委員会は対立抗争が終結したとは認めていません。特定抗争指定は2027年1月6日まで延長されています。
Q6:神戸山口組から分裂した団体には何がありますか?
A6:2017年に任侠山口組(現在の絆會)が結成を表明しました。また、2020年7月には池田組が神戸山口組傘下からの離脱を表明し、2021年11月に指定暴力団となりました。
2026年11月現在、神戸山口組について公的資料から確認できる主な情報は、代表者の井上邦雄氏、2025年末時点の構成員数約110人、勢力範囲1都1府6県、指定暴力団としての地位です。
2015年の六代目山口組からの分裂以降、任侠山口組(絆會)の結成や池田組の離脱など、組織関係は大きく変化しました。構成員数も2016年末の約2,600人から2025年末の約110人へと減少しています。
一方、六代目山口組との特定抗争指定は2026年9月に27回目の延長となり、2027年1月6日まで継続することが決まりました。
今後、神戸山口組の動向を確認する際に注目したいのは、次の3点です。
- 構成員数:警察庁が公表する年末統計の変化。
- 指定状況:兵庫県公安委員会による指定更新と特定抗争指定の判断。
- 組織関係:六代目山口組、絆會、池田組などをめぐる公的発表と報道。
神戸山口組の最新組織図を調べる場合、民間サイトの人物相関図だけで判断するのではなく、警察庁の組織犯罪情勢、兵庫県警察の暴力団情勢、大阪府警察の指定暴力団一覧を照合することが、現在の実態を正しく理解する近道です。
主な参考資料
- 警察庁「令和7年における組織犯罪の情勢」(2026年4月公表)
- 兵庫県警察「暴力団対策法の運用」「暴力団対策の推進」
- 大阪府警察「指定暴力団一覧表」
- 神戸新聞NEXT「山口組と神戸山口組の『特定抗争』指定、27回目の延長」(2026年9月17日)
- 神戸新聞NEXT「山口組分裂騒動」関連報道(2015年~)