2026年11月3日現在、「水戸殺人事件」をめぐって注目されているのは、2025年大みそかに発生したネイリスト殺害事件と、2023年7月に発生した水戸市の2児殺害事件です。前者では元交際相手の大内拓実被告に拘禁刑20年の判決が言い渡され、2026年10月15日に確定しました。一方、後者では母親の太田亜紀子被告の刑事責任能力が争われ、11月5日の判決を待つ状況です。
2つの事件は発生時期も背景も異なりますが、いずれも水戸地方裁判所で刑事裁判が行われ、被害者の命を奪った行為とその責任が問われています。小松本遥さんの事件ではストーカー行為や紛失防止タグの悪用が焦点となり、2児殺害事件では精神疾患と刑事責任能力の関係が大きな争点になっています。
【2026年最新】水戸殺人事件で何が起きた?注目される2つの事件

まず押さえておきたいのは、「水戸殺人事件」という検索キーワードが、単一の事件だけを指しているわけではないという点です。
2026年に大きく報道された事件は、次の2件です。
1. 水戸ネイリスト殺害事件2025年12月31日、茨城県水戸市のアパートで、ネイリストの小松本遥さん(当時31歳)が殺害されました。
殺人とストーカー規制法違反の罪に問われたのは、元交際相手の大内拓実被告(29)です。
事件では、位置情報を取得できる紛失防止タグを悪用したストーカー行為が明らかになりました。
2026年9月30日、水戸地方裁判所は大内被告に拘禁刑20年を言い渡しています。その後、検察側と被告側の双方が控訴せず、10月15日に判決が確定しました。
2. 水戸2児殺害事件もう一つは、2023年7月に水戸市内のアパートで発生した事件です。
長男(当時8歳)と長女(当時5歳)の2人が殺害され、母親の太田亜紀子被告(42)が殺人罪に問われています。
2026年10月14日に裁判員裁判の初公判が開かれ、太田被告は起訴内容を認めました。
しかし、弁護側は犯行当時に心神喪失状態だったとして無罪を主張。検察側は完全責任能力があったとして懲役18年を求刑しました。
10月21日に結審し、判決は11月5日午後2時30分に予定されています。
つまり、2026年11月3日時点では、ネイリスト殺害事件は判決確定済み、2児殺害事件は判決待ちという明確な違いがあります。
【ネイリスト殺害事件】小松本遥さんの事件は発生から判決までどう進んだ?
事件発生:2025年12月31日/判決確定:2026年10月15日
水戸ストーカー殺人事件とも呼ばれるこの事件では、元交際相手による執拗な接触と位置情報の不正取得が問題になりました。
交際解消後も続いた接触報道によると、小松本さんと大内被告は2024年11月ごろに交際を解消しました。
しかし、大内被告は2025年6月にLINEで再び連絡を取りました。小松本さんからブロックされた後も、職場を訪ねるなどして居場所を探そうとしていたことが公判で明らかになっています。
同年12月26日には、小松本さんの実家に位置情報タグを仕込んだぬいぐるみを置き、その後、12月31日未明には車にもタグを取り付けたと検察側は説明しました。
こうした行為によって小松本さんの居場所や行動を把握していたとされています。
2025年12月31日、事件発生2025年12月31日夕方、水戸市内のアパートで小松本さんが殺害されました。
同日午後7時15分ごろ、仕事から帰宅した夫が玄関付近で倒れている小松本さんを発見し、119番通報しました。
小松本さんは当時31歳で妊娠5カ月でした。事件のおよそ7カ月前には念願だったネイルサロンを開業していました。
事件後、茨城県警は捜査を進め、2026年1月21日に元交際相手の大内拓実容疑者を殺人容疑で逮捕しました。
2026年9月、公判で明らかになった犯行動機2026年9月14日、水戸地方裁判所で裁判員裁判の初公判が開かれました。
大内被告は起訴内容を認めています。
検察側は、交際解消を受け入れられず、被害者を殺害することで過去に戻り、自分の人生をリセットしようと考えたと説明しました。
被告人質問では、大内被告自身も次のように述べたと報じられています。
「被害者の存在を消して、出会う前に戻ってリセットしようと思った」
大内被告の2026年9月17日の被告人質問での説明。共同通信配信の報道などによる。
一方、弁護側は、被告が事件前に自身の精神状態に異常を感じ、臨床心理士などに相談していたことを指摘しました。
ただし、裁判の中心的な争点は責任能力の有無ではなく、犯行の悪質性や量刑でした。
2026年9月30日、拘禁刑20年の判決9月24日の公判で検察側は拘禁刑21年を求刑しました。
そして9月30日、水戸地方裁判所は大内被告に拘禁刑20年を言い渡しました。
判決では、人生をリセットしたいという動機について身勝手と評価し、強固な殺意に基づく執拗で凄惨な犯行だったと指摘しています。
2026年10月15日、拘禁刑20年の判決が確定しました。
控訴期限だった10月14日までに検察側・被告側の双方が控訴しなかったためです。
したがって、2026年11月3日現在、この事件の裁判は確定しています。
【比較表】水戸ネイリスト殺害事件と水戸2児殺害事件の違い
2つの事件を混同しないため、発生時期、関係者、裁判の争点、現在の状況を整理します。
| 比較項目 | ネイリスト殺害事件 | 2児殺害事件 |
|---|---|---|
| 発生時期 | 2025年12月31日 | 2023年7月24日 |
| 被害者 | 小松本遥さん(当時31歳) | 長男(当時8歳)・長女(当時5歳) |
| 被告人 | 大内拓実被告 | 太田亜紀子被告 |
| 被告と被害者の関係 | 元交際相手 | 母親と子ども |
| 主な事件内容 | 殺人・ストーカー行為 | 子ども2人の殺害 |
| 注目された論点 | 紛失防止タグの悪用、犯行の計画性、量刑 | 精神疾患、刑事責任能力 |
| 初公判 | 2026年9月14日 | 2026年10月14日 |
| 検察側の求刑 | 拘禁刑21年 | 懲役18年 |
| 判決 | 2026年9月30日 | 2026年11月5日予定 |
| 2026年11月3日の状況 | 拘禁刑20年で確定 | 判決待ち |
この比較で重要なのは、両事件の裁判で問われている内容が大きく異なることです。
ネイリスト殺害事件では、被告が起訴内容を認めたうえで、犯行の計画性や執拗さ、動機などが量刑判断の中心になりました。
一方、2児殺害事件では、殺害行為そのものを認めていることと、刑事責任を負える精神状態だったかどうかが別々に検討されています。
犯罪行為を認めていることと、刑法上の責任能力が認められることは、必ずしも同じではありません。
この違いが、2つの裁判を理解するうえでの要点です。
【犯行動機と背景】2つの事件で何が明らかになったのか
ネイリスト殺害事件:交際解消への執着とストーカー行為大内被告の事件では、交際解消後も被害者への接触を試み、位置情報を取得しようとした行動が公判で明らかになりました。
特に注目されたのが、紛失防止タグの悪用です。
本来、紛失防止タグは鍵や財布、荷物などの所在を確認するための機器です。しかし、本人の承諾なく第三者の持ち物や車両に取り付け、位置情報を取得する目的で使用すれば、プライバシーや安全を脅かす手段になります。
この事件では、単に交際相手との別れをめぐるトラブルという枠では捉えきれない、継続的な監視行為が問題になりました。
裁判で示された被告の説明と、裁判所が認定した犯行の執拗さを合わせて考えると、交際関係の解消を受け入れられない感情が、相手の意思を無視した行動へ発展したことが事件の背景にあります。
2児殺害事件:検察側と弁護側で異なる事件の捉え方太田亜紀子被告の事件では、検察側と弁護側の説明に大きな違いがあります。
検察側は、勤務先の飲食店の経営方針変更などをきっかけに、被告が不満や不眠を抱え、うつ症状が悪化したと説明しました。
加えて、子どもを手放したくないという考えから、死後も一緒にいたいと考えて犯行に至ったという見方を示しています。
これに対して弁護側は、過労などを背景に妄想性うつ病を発症し、心中以外に子どもを救う方法はないと思い詰めた状態だったと主張しました。
弁護側の精神鑑定医も、精神疾患が犯行に強い影響を与えた可能性を指摘しています。
両者の違いは、単純に動機の善悪を争っているということではありません。
焦点は、犯行当時に被告が自分の行為の意味を理解し、その行為を思いとどまる能力を持っていたかどうかです。
【水戸2児殺害事件】太田亜紀子被告の責任能力はどう判断される?
水戸2児殺害事件の裁判で、最も重要な争点となっているのが刑事責任能力です。
そもそも責任能力とは?日本の刑法第39条では、心神喪失と心神耗弱について次のように定めています。
- 心神喪失: 刑事責任を問わず、処罰しない。
- 心神耗弱: 刑事責任は認めるものの、刑を減軽する。
- 完全責任能力: 通常の刑事責任を問うことができる。
心神喪失とは、精神障害の影響によって善悪を判断する能力や、その判断に従って行動する能力が失われた状態を指します。
心神耗弱は、それらの能力が著しく低下した状態です。
ここで注意したいのは、精神疾患の診断を受けていることだけで、自動的に無罪になるわけではないという点です。
医師による精神鑑定は重要な資料になりますが、最終的に刑事責任能力を判断するのは裁判所です。
2026年10月14日の初公判太田被告は初公判で起訴内容を認めました。
共同通信などの報道によると、事件は2023年7月23日深夜から24日早朝にかけて発生し、自宅アパートで長男と長女が殺害されたとされています。
初公判では、太田被告が起訴内容を認めた一方、弁護側は心神喪失状態だったとして無罪を主張しました。
10月21日、検察側が懲役18年を求刑公判では、精神鑑定の結果や犯行当時の心理状態について検討されました。
検察側は、被告にうつ症状があったことを認めながらも、犯行時の精神機能は保たれており、完全責任能力があったと主張しました。
一方、弁護側は精神疾患の影響が大きく、責任能力はなかったとして無罪を求めています。
10月21日、検察側は懲役18年を求刑しました。
太田被告は公判の最後に子どもたちへの謝罪と反省の気持ちを述べたと、TBS NEWS DIGが報じています。
判決は2026年11月5日水戸地方裁判所が公表している裁判員裁判の開廷期日情報では、同事件の判決は次の予定です。
水戸地方裁判所・判決予定11月5日(木)
午後2時30分
- 事件名:殺人
- 裁判員裁判
- 法廷:310号法廷
- 判決前の公判:10月14日・15日・16日・19日・21日
水戸地方裁判所の2026年10月公表情報に基づく。
2026年11月3日時点では、まだ判決は出ていません。
そのため、太田被告が無罪になるのか、有罪となって刑が言い渡されるのか、あるいは責任能力の程度がどのように評価されるのかは、判決を待つ必要があります。
【紛失防止タグとストーカー規制法】ネイリスト殺害事件が示した問題
ネイリスト殺害事件で社会的に注目されたのが、紛失防止タグを利用した位置情報の不正取得です。
この問題は、単に特定の機器の悪用にとどまりません。
紛失防止タグの無断使用が規制対象に警察庁によると、ストーカー規制法の改正により、2025年12月30日から紛失防止タグを使った無承諾の位置情報取得などが規制対象に追加されました。
改正の背景には、元交際相手などの車や持ち物にタグを取り付け、本人に知らせず位置情報を取得する事案の増加があります。
改正法では、本人の承諾なくタグを取り付ける行為や、タグを使って位置情報を取得する行為などが規制対象となりました。
この事件との関係小松本さんの事件は2025年12月31日に発生しました。
改正法の施行翌日にあたるタイミングであり、位置情報タグを悪用したストーカー行為が事件の重要な要素として公判で取り上げられました。
この事件を通じて明らかになったのは、従来は落とし物防止や持ち物管理に使われていた機器であっても、使用目的や本人の同意によっては重大な犯罪につながるという問題です。
ストーカー被害で注意したいこと警察庁や警視庁が示している対策では、次の点が重要になります。
- 自分の車やバッグなどに見覚えのない機器がないか注意する。
- 不審な位置情報通知や追跡の警告を軽視しない。
- 不審な機器を発見した場合は、警察に相談する。
- 元交際相手などからの執拗な接触や監視があれば、早い段階で相談する。
緊急の危険がある場合は110番、緊急ではない警察への相談は全国共通の警察相談専用電話「#9110」が利用できます。
【プロの結論】水戸殺人事件から読み取るべき3つの重要な論点
今回の2つの事件を比較すると、2026年の水戸殺人事件を理解するために、特に重要な論点が3つあります。
1. ストーカー行為は交際解消後も深刻な危険につながるネイリスト殺害事件では、交際が終わった後も被告が接触や監視を続けていました。
相手が連絡を拒否しているにもかかわらず、居場所を探したり、位置情報を取得したりする行為は、単なる恋愛上のトラブルではありません。
本人の意思を無視した監視やつきまといは、重大な犯罪に発展する可能性がある問題です。
2. 精神疾患の有無と刑事責任能力は分けて考える必要がある2児殺害事件では、精神疾患が犯行に影響したかどうかだけでなく、その影響によって責任能力がどの程度失われていたかが問われています。
医学的な診断と法律上の判断は異なります。
この違いを理解しなければ、裁判で検察側と弁護側が何を争っているのかを正確に把握できません。
3. 判決が確定した事件と判決待ちの事件を区別する2026年11月3日現在、ネイリスト殺害事件は拘禁刑20年で確定しています。
一方、2児殺害事件は10月21日に結審し、11月5日の判決を待っています。
この2つの事件を同じ「水戸殺人事件」として一括りにすると、現在の裁判状況を誤解する原因になります。
報道を確認するときは、被告人名、事件発生時期、裁判の進行状況を照らし合わせることが大切です。
【FAQ】水戸殺人事件に関するよくある質問
Q1:水戸ネイリスト殺害事件の犯人は誰ですか?
A1:元交際相手の大内拓実被告です。殺人とストーカー規制法違反の罪に問われ、水戸地方裁判所から拘禁刑20年の判決を受けました。双方が控訴しなかったため、2026年10月15日に判決が確定しています。
Q2:水戸ネイリスト殺害事件の被害者は誰ですか?
A2:被害者はネイリストの小松本遥さんです。事件発生時は31歳で、妊娠5カ月でした。2025年12月31日、水戸市内のアパートで殺害されました。
Q3:水戸2児殺害事件の母親は無罪になったのですか?
A3:2026年11月3日時点では、判決は出ていません。太田亜紀子被告は起訴内容を認めていますが、弁護側は心神喪失による責任能力の欠如を主張しています。検察側は懲役18年を求刑し、判決は11月5日に予定されています。
Q4:水戸2児殺害事件はいつ発生しましたか?
A4:2023年7月24日朝、水戸市内のアパートで8歳の長男と5歳の長女が発見され、その後死亡が確認されました。母親は7月25日に殺人容疑で逮捕されています。
Q5:紛失防止タグを使ったストーカー行為は犯罪になりますか?
A5:本人の承諾なく紛失防止タグを取り付けたり、位置情報を取得したりする行為は、2025年12月30日施行のストーカー規制法改正で規制対象に追加されています。具体的な適用は行為の内容や状況によって判断されます。
2026年に注目された水戸殺人事件には、ネイリスト殺害事件と2児殺害事件という、背景も裁判の争点も異なる2つの事件があります。
ネイリストの小松本遥さんが殺害された事件では、元交際相手の大内拓実被告に拘禁刑20年が言い渡され、2026年10月15日に判決が確定しました。
一方、太田亜紀子被告が問われている2児殺害事件では、精神疾患と刑事責任能力の関係が争われ、11月5日に判決が予定されています。
今後の最大の注目点は、水戸2児殺害事件で裁判所が責任能力についてどのような判断を示すかです。
また、ネイリスト殺害事件で問題となった紛失防止タグの悪用は、ストーカー規制法の改正や被害者支援のあり方を考えるうえでも重要な事例となりました。
2つの事件を正確に理解するには、事件の発生時期だけでなく、裁判で明らかになった事実、検察側と弁護側の主張、そして判決の確定状況を分けて確認する必要があります。
2026年11月5日の水戸地方裁判所の判決は、2児殺害事件の今後を左右する重要な節目となります。