2026年WBC日本代表に選ばれたオリックスの現役選手は、宮城大弥、若月健矢、曽谷龍平の3人だ。
投手2人と捕手1人という構成は、投手陣の層を厚くすると同時に、投手の持ち味を引き出すバッテリー面でも球団の強みを示した。
宮城大弥:経験を生かす左の先発候補
投手・左投左打・背番号13
2019年ドラフト1位。2023年WBCに続く国際舞台での経験を持つオリックスの左腕。
宮城は2026年1月26日にWBC最終メンバーへの選出が発表された。2023年大会に続く代表入りであり、国際大会を経験している点も強みとなる。
2026年3月6日のチャイニーズ・タイペイ戦では、3番手として4回から登板。2イニングを投げ、被安打0、奪三振3、無失点という結果を残した。
四球2、死球1と走者を許す場面はあったものの、最後まで得点を与えなかった。左腕としての投球の幅と、三振を奪える能力を示した登板だった。
宮城の代表での価値は、単に先発投手として計算できることだけではない。短いイニングでも試合の流れを変えられる投球ができる点にある。
若月健矢:投手陣を支える捕手として選出
捕手・右投右打・背番号4
2013年ドラフト3位。ゴールデングラブ賞などの受賞歴を持つ守備型捕手。
若月は2026年1月16日に代表入りが発表された。WBC初出場となった今回の大会では、捕手として投手陣を支える役割を担った。
特に注目したいのが、3月6日の台湾戦だ。
若月は9番捕手で先発出場。打撃では3打数1安打1打点を記録した。日本は13対0で勝利し、山本由伸、藤平尚真、宮城、北山亘基、曽谷による継投で台湾打線を1安打に抑えている。
捕手の評価は打率や打点だけでは決まらない。投手との意思疎通、配球、守備時の判断など、試合全体を支える働きが求められる。
若月の選出は、オリックスで培った投手との連携経験を日本代表でも生かす機会となった。
曽谷龍平:MLB球への対応力が評価された新戦力
投手・左投左打・背番号47
2022年ドラフト1位。鋭いスライダーを武器とする左腕。
曽谷の代表選出には、2025年秋の好投が大きく関係している。
2025年11月15日に行われた侍ジャパンシリーズの韓国戦では先発を務め、3回を打者9人で終えるパーフェクト投球を披露した。
2026年1月26日の代表発表会見で、井端弘和監督は曽谷について、前年秋の投球とMLB球への対応力を評価。国際大会でも十分に抑えられるとの期待を示した。
そしてWBC本番の台湾戦では、7回に登板。1イニング、被安打0、奪三振1、無四球、無失点で試合を締めくくった。
WBC初登板で三者凡退を達成したことは、曽谷にとって大きな実績となった。
宮城が国際大会の経験を持つ左腕なら、曽谷は新たに代表投手陣へ加わった存在だ。異なるキャリアの2人が同じオリックスから選ばれたことも興味深い。
2026年WBCでの日本代表の最終結果侍ジャパンは1次ラウンドを4連勝で突破したが、準々決勝でベネズエラに5対8で敗れ、連覇を逃した。
3選手の活躍を評価する際には、チームの最終順位と個人の働きを分けて考える必要がある。宮城と曽谷は台湾戦の完封リレーに貢献し、若月はその試合でマスクをかぶった。
オリックスの3選手は、WBCの大舞台でそれぞれの専門性を発揮した。
【オリックスOB】山本由伸の侍ジャパン代表歴は?2019年から2026年までを整理

投手・右投右打・背番号18(2026年WBC)
オリックスでエースとして活躍した後、MLBのロサンゼルス・ドジャースへ移籍。
2026年のオリックス侍ジャパンを語るうえで、山本由伸の存在は欠かせない。
現在はロサンゼルス・ドジャースに所属する山本だが、オリックス時代から日本代表の主力投手として国際大会を経験してきた。
山本由伸の代表歴は4つの主要大会に及ぶ山本の代表歴を整理すると、次のようになる。
- 2019年:第2回WBSCプレミア12
- 2021年:東京2020オリンピック
- 2023年:2023 WORLD BASEBALL CLASSIC
- 2026年:2026 WORLD BASEBALL CLASSIC
2019年のプレミア12は、山本にとってトップチームの国際大会に臨む重要な機会だった。
2021年の東京オリンピックでは、日本代表として金メダルを獲得。2023年WBCでは宮城大弥、宇田川優希、山﨑颯一郎らとともに日本代表に名を連ねた。
2026年大会ではドジャースの選手として再び代表入りし、オリックス時代のチームメートだった宮城、若月との共演が実現した。
侍ジャパン公式の選手プロフィールにも、これらの代表歴が記録されている。
2026年WBCでも山本由伸は重要な役割を担った2026年3月6日の台湾戦では先発投手として登板し、2回2/3を被安打0、奪三振2、無失点でまとめた。
また、3月15日のベネズエラとの準々決勝では4イニングを投げ、5奪三振を記録した。
ただし、ベネズエラ戦では本塁打を含む4安打を許し、2失点。日本は5対8で敗れている。
この結果だけを切り取って山本の代表での評価を判断するのは適切ではない。複数の大会で代表を経験してきた実績と、2026年大会で担った投手としての役割を合わせて見る必要がある。
吉田正尚もオリックスOBとして代表入り外野手・2026年WBC背番号34
オリックスで活躍後、MLBのボストン・レッドソックスに所属。
2026年WBCでは、吉田正尚も日本代表に選出された。
オリックス時代の吉田は、打撃力を武器にチームの中心選手として活躍。2023年WBCでも日本代表に選ばれ、国際舞台での実績を積み重ねた。
2026年大会では、山本と同じく現役のオリックス所属選手ではないものの、球団出身の代表選手として注目された。
スポーツ報知の報道では、宮城、若月、曽谷に山本、吉田を加えた「実質5人」がオリックスにゆかりのある選手としてWBCに参加したと紹介されている。
【歴代選手一覧】オリックスと侍ジャパンの関係を大会別に比較
オリックスの代表選出は2026年に突然始まったものではない。
過去の代表メンバーを振り返ると、投手では山本由伸、宮城大弥、宇田川優希、山﨑颯一郎、野手では吉田正尚など、複数の選手が国際舞台を経験してきた。
特に2019年のプレミア12と2023年WBCは、オリックスの代表選出を振り返るうえで重要な大会だ。
オリックス歴代侍ジャパン選手・大会別一覧この一覧から分かるのは、オリックスが投手だけでなく、捕手や野手も含めて代表に選手を送り出してきたことだ。
2019年には山岡、山本、吉田が選出され、2023年WBCでは5人が日本代表入り。2026年WBCでも、現役選手とOBを合わせて5人が参加した。
ただし、表に挙げたのは主な大会で確認できる代表歴であり、すべての強化試合や各世代の代表歴を網羅した一覧ではない。
【なぜ選出ゼロ?】アジアプロ野球チャンピオンシップ2026と井口監督の選考理由
2026年のオリックス侍ジャパンをめぐる最大の疑問が、11月のアジアプロ野球チャンピオンシップで選出ゼロとなったことだ。
WBCでは現役3選手が代表入りしたにもかかわらず、同じ年のAPBCでは1人も選ばれなかった。
しかし、この2つの大会は代表選考の目的も、出場選手の条件も異なる。
APBC2026の大会概要ラグザス APBC2026
11月12日~15日
東京ドーム・日本、韓国、台湾、オーストラリアの4チームが参加
大会の主な登録条件は以下のとおり。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録人数 | 28人 |
| 基本条件 | 24歳以下または入団3年目まで |
| オーバーエージ | 29歳以下、最大3人 |
| 参加国 | 日本・韓国・台湾・オーストラリア |
| 開催球場 | 東京ドーム |
なお、チーム編成が困難な場合には、関係団体の了承を得たうえで、25歳以下かつ2001年1月1日以降生まれの選手を登録できる特例も設けられている。
つまり、WBCのように各球団の主力を幅広く集める大会ではなく、若い世代の発掘・育成を重視した大会なのだ。
井口資仁監督が説明した選出ゼロの背景侍ジャパン監督
APBC2026が監督としての初陣となる。
2026年10月7日、井口監督はAPBCの出場予定選手28人を発表した。
その際、阪神とオリックスからの選出がゼロだったことについて、選考の経緯を説明している。
井口監督によると、選考では約70~80人をリストアップ。各球団や監督と相談しながら候補を絞り込んだという。
特に重視したのが、11月開催という日程を踏まえた選手の体調面と、その時点でのコンディションだった。
監督の説明の要点は次のとおりだ。
「最終選考で今現時点でベストな状態である選手を最終的に選考させてもらった」
井口資仁監督・2026年10月7日の選手発表会見(日刊スポーツ報道)
ここで重要なのは、オリックスの選手が球団単位で排除されたという説明はされていないことだ。
選考対象を広くリストアップし、球団との協議やコンディションを踏まえて28人を決めた結果、オリックスからの選出がなかったというのが公表された経緯である。
WBC代表3人はAPBCにも出場できるのか?宮城、曽谷、若月の3人を比較すると、年齢と大会条件の違いも見えてくる。
- 宮城大弥:2001年生まれ
- 曽谷龍平:2000年生まれ
- 若月健矢:1995年生まれ
若月は2026年時点で31歳となり、29歳以下のオーバーエージ枠の対象外だ。
一方、宮城と曽谷は29歳以下であるため、年齢だけを見ればオーバーエージ枠の候補になり得る。ただし、同枠は日本代表全体で最大3人に限られる。
したがって、WBCに出場した選手がそのままAPBCにも選ばれるわけではない。
また、宮城や曽谷以外のオリックスの若手についても、選出の有無は個別の年齢・登録年数・状態と最終的な選考によって決まる。
井口監督の説明から読み取れるのは、単純な実績や知名度ではなく、次世代の代表候補を育てるという大会の趣旨と、招集時点の状態を重視した選考だったということだ。
【プロの分析】WBCで3人選出、APBCでゼロは矛盾ではない
オリックスの2026年代表選出を正しく理解するには、WBCとAPBCを同じ基準で比較しないことが大切だ。
WBCは現在の実力、APBCは次世代の戦力形成WBCは年齢による若手中心の制限がなく、各国のトップ選手が集まる大会だ。
宮城のような実績ある投手、曽谷のような新戦力、若月のような経験豊富な捕手が選ばれることには合理性がある。
対してAPBCは、24歳以下や入団3年目までの選手を基本とする大会である。オーバーエージ枠も限られているため、球団の主力選手が必ずしも選ばれるとは限らない。
この違いが、同じ2026年に選出人数が大きく変わった理由を理解する鍵になる。
オリックス選出ゼロを球団の評価低下と結び付けないもう一つの誤解が、APBCでの選出ゼロをオリックスの選手層や実力の低下と直結させることだ。
しかし、2026年WBCには宮城、若月、曽谷が選出され、山本と吉田もOBとして代表入りしている。
加えて、2023年WBCでは5人がオリックスにゆかりのある選手として参加した。
大会ごとの選考基準が違う以上、選出人数だけで球団の実力を評価することはできない。
今後の代表選考で注目したい3つのポイントオリックスの次世代侍ジャパン候補を追うなら、以下の観点が参考になる。
1. 年齢とプロ年数: APBCや若手主体の大会では、実績だけでなく登録資格が重要。
2. シーズンのコンディション: 11月の国際大会では、シーズン終了後の疲労や故障状況も選考に影響する。
3. 国際大会への適応力: MLB球や国際公認球への対応、異なる打者への投球、短期決戦での対応力が評価される。
曽谷のWBC選出では、実際にMLB球への対応力が監督から評価された。
この事例は、国内リーグの成績だけでは見えない国際舞台での適性も、代表選考において重要であることを示している。
【オリックス侍ジャパン2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年WBCでオリックスから選ばれた選手は誰ですか?
A1:現役選手では宮城大弥、若月健矢、曽谷龍平の3人です。オリックスOBの山本由伸、吉田正尚を含めると、球団にゆかりのある選手は計5人です。
Q2:宮城大弥は2026年WBCでどんな成績を残しましたか?
A2:3月6日の台湾戦で2イニングを投げ、被安打0、奪三振3、無失点でした。短いイニングで相手打線を抑える働きを見せました。
Q3:若月健矢は侍ジャパンに初めて選ばれたのですか?
A3:トップチームのWBC代表としては2026年が初選出です。ただし、2017年のアジアプロ野球チャンピオンシップなど、過去にも代表経験があります。
Q4:山本由伸の侍ジャパン代表歴は?
A4:2019年プレミア12、2021年東京オリンピック、2023年WBC、2026年WBCです。東京オリンピックでは金メダルを獲得しています。
Q5:なぜオリックスはAPBC2026で選出ゼロだったのですか?
A5:大会が若手中心の編成であることに加え、オーバーエージ枠が3人に限られています。井口監督は約70~80人を候補に挙げ、球団との協議や選手の体調、現時点の状態を踏まえて選考したと説明しています。
2026年のオリックスと侍ジャパンの関係を振り返ると、WBCとAPBCで対照的な結果となった。
- WBCでは宮城大弥、若月健矢、曽谷龍平の3人が現役選手として選出。
- オリックスOBの山本由伸と吉田正尚もWBC日本代表に参加。
- 山本は2019年から2026年まで複数の主要国際大会を経験。
- APBC2026ではオリックスからの選出がゼロ。
- 井口監督は若手育成の大会方針と、球団との協議、選手のコンディションを踏まえた選考だったと説明。
特に注目したいのは、APBCの選出ゼロがWBCでの評価を否定するものではないという点だ。
オリックスは過去にも山本、吉田、宮城、宇田川、山﨑颯一郎らを代表に送り出してきた。2026年も現役選手3人がWBCを経験し、国際舞台で実績を積んでいる。
オリックス侍ジャパンの本当の見どころは、代表に何人選ばれたかだけではない。 各選手がどの大会で、どのような役割を担い、その経験を所属球団へ持ち帰るかにある。
11月12日から始まるAPBC2026は、井口監督体制の新たな代表づくりを占う大会となる。今後の侍ジャパンに、オリックスの若手選手がどのような形で再び加わっていくのかにも注目したい。