2026年の富士山を訪れる中国人観光客をめぐり、大きな変化が起きている。2025年までは富士山周辺の観光地で中国人団体客の姿が目立っていたが、中国政府による日本への渡航自粛要請以降、忍野八海や河口湖では観光客の顔ぶれが変わり始めた。一方、富士山の登山者数そのものは増加しており、外国人登山者も一定の割合を占めている。
では、富士山に来る中国人観光客は実際にどのくらいいるのか。2026年9月に閉山した富士山の登山者数、吉田ルートの外国人比率、忍野八海の現地報道、河口湖で発生した液体散布騒動などを確認すると、観光客の減少とマナー問題は別々に考える必要があることが分かる。
- 2026年の富士山登山者数は約24万人。環境省の集計では前年の約20万5千人から約17%増加した。
- 吉田ルートの外国人比率は約32~34%。ただし、国籍別の中国人登山者数は公表された集計から確認できない。
- 忍野八海では中国人団体客が大幅に減少。2026年2~3月の現地報道では、欧米や東南アジア、日本人観光客が減少分を補っている様子が伝えられた。
- 河口湖の液体散布報道は2026年10月の新しい問題。液体の正体や投稿者の国籍は確定していない。
- 富士山のマナー問題は国籍だけでは判断できない。登山装備の不足、弾丸登山、混雑など、安全管理全体の課題として捉える必要がある。
【2026年最新】富士山に中国人観光客は多い?登山者数と外国人比率の実態

最初に押さえておきたいのは、富士山を訪れる観光客と、実際に山頂を目指す登山者は別の集計対象だという点だ。
富士山周辺には、五合目、河口湖、忍野八海、山中湖など、登山をしなくても楽しめる観光スポットが点在している。中国人観光客が多いという印象は、こうした周辺観光地での団体旅行の存在によって強まってきた。
2026年の富士山登山者数は約24万人環境省関東地方環境事務所が2026年9月30日に発表した夏期の登山者数によると、7月の開山から9月10日までの富士山全4ルートの登山者数は約24万人だった。
比較すると、次のようになる。
- 2026年:約24万人
- 2025年:約20万5千人
- 2019年:約23万6千人
2026年は前年の約117%となり、新型コロナウイルス流行前の2019年と比較しても約102%に達した。
つまり、2026年の富士山は登山者全体で見ると減少していない。むしろ前年より多くの人が登っている。
ただし、2026年は須走ルートと御殿場ルートの赤外線カウンターに一部欠測期間があった。約24万人という数字は、その点も踏まえて読む必要がある。
(出典:環境省関東地方環境事務所「2026年夏期の富士山登山者数について」)
吉田ルートの外国人比率は約3割中国人登山者の割合を考えるうえで参考になるのが、山梨県側の吉田ルートのデータだ。
富士吉田市が2026年9月11日に発表した資料では、7月1日から9月10日までの吉田口登山道の登山者数は166,178人だった。前年の142,814人と比較すると、116.4%に増加している。
加えて、六合目安全指導センター前を通過した登山者156,624人のうち、外国人登山者は53,543人だった。
この集計では、外国人の割合は34.2%に達している。
一方、2026年から導入されたオンライン通行予約システムを通じた国籍把握については、報道各社が日本人68%、外国人32%という結果を伝えている。
この32%と34.2%は、集計方法や対象者の違いによる数字であり、同一の統計として扱うことはできない。
重要なのは、どちらの数字を見ても吉田ルートの登山者のおよそ3人に1人が外国人という実態だ。
ただし、外国人全体の比率が分かっても、中国人がそのうち何人なのかまでは判断できない。
富士山の登山者数と中国人観光客数は別物ここで混同されやすいのが、観光地における中国人客の多さと、富士山の登山者に占める中国人の割合だ。
例えば、河口湖で富士山の写真を撮る人、忍野八海を散策する人、五合目で景色を楽しむ人は、必ずしも登山者ではない。
そのため、観光地で中国人団体客が減ったからといって、富士山の登山者数も同じ割合で減少したと考えるのは誤りだ。
環境省の登山者数調査と、観光地の現地取材、訪日外国人統計は、それぞれ違うものを測っている。
【なぜ多い?】中国人観光客が富士山を訪れる理由と人気の背景
中国人観光客が富士山周辺に多く訪れてきた背景には、富士山そのものの知名度だけではなく、旅行商品の構成や周辺観光地の充実がある。
1. 世界文化遺産としての知名度富士山は2013年に世界文化遺産に登録された。
日本を代表する象徴的な景観であり、中国を含む海外旅行者にとっても、日本旅行を象徴する目的地の一つとなっている。
特に、雪をかぶった富士山と湖、桜、紅葉などを組み合わせた景色は、写真や動画で日本らしさを伝えやすい。
登山経験がなくても、富士山を背景に写真を撮るだけで旅行の目的を達成できる点も、幅広い観光客を引きつけている。
2. 東京・富士山・京都を組み合わせやすい中国からの団体旅行では、東京や大阪、京都などの有名観光地と富士山周辺を組み合わせる周遊型の旅行が定番となってきた。
公益財団法人日本交通公社の過去の訪日団体旅行商品調査でも、中国発の旅行商品には、富士山を中心に周辺の観光地を巡るコースが多く見られた。
主な訪問先として挙げられていたのは次の場所だ。
- 富士山五合目
- 忍野八海
- 河口湖周辺
- 御殿場プレミアム・アウトレット
- 御殿場平和公園
こうした場所は比較的近いエリアにまとまっているため、観光バスを利用した周遊旅行に組み込みやすい。
3. 忍野八海と河口湖が写真撮影の人気スポット富士山を眺める場所として、忍野八海と河口湖は特に知名度が高い。
忍野八海は富士山の伏流水を水源とする湧水池群で、透明度の高い水と日本の伝統的な景観が魅力だ。
一方、河口湖は湖面と富士山を一緒に撮影できる場所として人気がある。
どちらも本格的な登山装備を必要とせず、短時間の滞在でも富士山の景色を楽しめる。
旅行会社にとっても、登山の経験や体力を問わず幅広い客層を案内できる場所である。
4. 観光バスを受け入れる環境が整っている人気観光地になるには、景観だけでなく交通アクセスも重要だ。
忍野八海や河口湖周辺には観光バスが利用できる駐車場があり、土産物店や飲食店も集まっている。
日本交通公社の過去の調査でも、富士山の眺望に加えて、駐車場など団体旅行を受け入れる環境が訪問先として選ばれる理由になっていた。
つまり、中国人観光客が富士山周辺に集まってきたのは、単純なブームだけではない。観光資源、旅行商品、交通インフラが組み合わさった結果でもある。
【2026年比較】忍野八海の中国人観光客は現在どうなった?団体客減少の現地実態
2026年に富士山周辺で起きた最も分かりやすい変化の一つが、忍野八海における中国人観光客の減少だ。
その背景には、中国政府による日本への渡航自粛要請がある。
中国政府の渡航自粛要請が観光客の動向を変えた2025年11月14日、中国政府は中国国民に対して日本への渡航自粛を呼びかけた。
外務省の2026年版外交青書によると、2025年の中国からの訪日者数は約909万6,000人に達していた。しかし、渡航自粛要請後はキャンセルの動きが発生し、2025年12月の訪日者数は前年同月比で約45%減少した。
2026年に入っても、その影響は続いている。
日本政府観光局(JNTO)の発表では、2026年9月の中国からの訪日者数は430,800人で、前年同月比44.5%減だった。
加えて、2026年1~9月の累計は3,335,500人で、前年同期比55.5%減となっている。
なお、JNTOの訪日外客数は観光目的だけを対象とする統計ではなく、留学生や駐在員なども含む。そのため、これらの数字をそのまま中国人観光客の人数と読み替えることはできない。
春節でも中国人観光客は減少2026年の春節は2月15日から23日までの9連休だった。
例年であれば、日本各地の観光地で中国からの団体旅行客が増える時期だ。
しかし、2026年2月の中国からの訪日者数は約39万6,400人で、前年同月比約45%減となった。
TBSのブルームバーグ報道によると、中国政府による渡航自粛要請が影響し、春節期間中も訪日需要の回復は見られなかった。
航空便の減便や旅行予約のキャンセルも、観光客の減少につながった要因として挙げられている。
忍野八海では中国人団体客が目に見えて減少2026年2月16日、テレビ朝日の報道は、春節期間中の忍野八海の様子を伝えた。
現地の観光バス駐車場では、大型バスがわずか3台しか確認できなかったという。
以前、中国人団体客が多く訪れていたフルーツ店でも、中国人観光客の減少が話題になっていた。
加えて、2026年3月3日のFNNプライムオンラインの報道では、以前は1日約100台の観光バスが訪れ、そのうち約7割が中国人団体客を乗せていたという現地関係者の証言が紹介された。
渡航自粛後は中国人団体客のバスが大幅に減り、駐車場の光景も変化した。
一方、地元の店舗からは、売り上げへの影響は比較的小さいという声も出ている。日本人や欧米、東南アジアなどの観光客が増え、中国人客の減少を補っているためだ。
忍野八海全体では観光客がどのくらい減ったのか2026年2月20日付のHint-Potは、忍野村観光協会への取材内容を紹介している。
同協会の担当者によると、以前の忍野八海では中国人観光客が全体の1~2割ほどを占めていた。
渡航自粛後は中国人の団体客だけでなく個人客も減少したものの、欧米やアメリカ、東南アジアなどからの来訪者が増加した。
観光協会の担当者による推定では、全体の観光客数の減少は約5~10%、収入の減少も約5~10%にとどまっている。
ここで重要なのは、中国人団体客が激減したことと、忍野八海全体の観光客が激減したことは同じではないという点だ。
特定の国からの旅行者が減少しても、ほかの国・地域からの旅行者が増えれば、観光地全体のにぎわいは維持できる。
2026年の忍野八海は、その変化を示す事例となっている。
【事実と報道を比較】富士山の中国人観光客・登山者をめぐる主要データ一覧
2026年の富士山をめぐる状況を正確に理解するには、登山者数、外国人比率、観光客の増減、マナー問題を分けて確認する必要がある。
| 項目・時期 | 公表・報道された内容 | 読み取れる実態 |
|---|---|---|
| 2026年夏の登山者数 | 約24万人 | 前年比約17%増 |
| 吉田ルートの登山者数 | 166,178人 | 前年比116.4% |
| 吉田ルートの外国人比率 | 約32% | オンライン予約システムによる集計 |
| 六合目の外国人登山者 | 53,543人 | 市の計測では34.2% |
| 2026年9月の中国からの訪日者 | 430,800人 | 前年同月比44.5%減 |
| 2026年1~9月の中国からの訪日者 | 3,335,500人 | 前年同期比55.5%減 |
| 2026年2月の忍野八海 | 中国人団体客が減少 | 他国・日本人客が補完 |
| 2026年10月の河口湖 | 液体散布動画が報道 | 液体の正体は未確定 |
| 2026年の富士山レンジャー | 指導件数1,471件 | 雨具・防寒着の不備などが多い |
※登山者数は環境省・富士吉田市の計測方法によって対象が異なる。外国人比率も予約システムの集計と六合目通過者の集計を区別している。
中国人登山者の人数は公表されているのかここは検索する読者が特に注意したい部分だ。
富士吉田市の公表資料では、外国人登山者数や外国人比率は確認できる。しかし、中国、韓国、台湾、欧米などの国籍別内訳を示すデータは、同資料には掲載されていない。
そのため、外国人登山者が約3割いるという情報から、中国人登山者も約3割いると判断することはできない。
また、JNTOの国籍別統計は日本全体への訪日者数を示すものであり、富士山を訪れた中国人だけを抽出した数字ではない。
2026年の富士山について、外国人比率は把握できても、中国人登山者の正確な人数や構成比は公開資料から特定できない。
この違いを理解することが、ネット上の数字を正しく読むための基本になる。
【マナー問題の真相】河口湖の液体散布報道と富士山オーバーツーリズムの実態
富士山をめぐっては、中国人観光客の減少だけでなく、マナー問題やオーバーツーリズムも大きな議論になっている。
特に2026年10月には、河口湖周辺で撮影された動画が国内外で注目を集めた。
2026年10月29日、河口湖で液体散布動画が報道関西テレビが2026年10月29日に報じたのは、河口湖の北側にある留守ヶ岩周辺で撮影された動画だった。
映像には、中国語を話す男性が、雑草に薬をまくという趣旨の発言をしながら、噴霧器のような器具で地面に液体を散布する様子が映っていた。
男性は中国のSNSに動画を投稿していた。
動画内では、富士山に雪が積もっていないことへの不満や、湖周辺の雑草についての発言も確認されている。
この映像が日本国内で報じられると、観光地の環境保全や外国人観光客のマナーをめぐって議論が広がった。
液体は本当に除草剤だったのか最も重要なのは、散布された液体の正体だ。
報道によると、動画を投稿した男性は、液体は単なる水だったと主張している。
一方、関西テレビの取材班が現場を確認した際には、草が明らかに枯れているような様子は見られなかった。
山梨県は動画の存在を把握し、事実関係の確認を進めていると説明している。
つまり、2026年11月時点で、この問題について確認できるのは次の内容だ。
- 中国語を話す男性による液体散布動画が存在した。
- 動画は中国のSNSに投稿された。
- 男性は液体が水だったと主張している。
- 現地取材では明確な草木への被害は確認されなかった。
- 山梨県が事実関係を確認している。
液体が除草剤だったと確定したわけではない。また、動画の人物の国籍についても、報道上は中国人とみられる人物という扱いであり、確定情報として断言できない。
この報道を中国人観光客全体の行動と結び付けることは適切ではない。
富士山レンジャーの指導件数は1,471件2026年9月の富士山閉山時には、登山者の安全管理に関する数字も報じられた。
共同通信などの報道によると、山梨県職員で登山口付近の安全指導を担当する富士山レンジャーの指導件数は1,471件だった。
特に多かったのは、雨具や防寒着などの装備不足だったという。
この数字を「外国人のマナー違反が1,471件あった」と解釈するのは間違いだ。
富士山レンジャーが行う指導には、安全登山のための装備確認や注意喚起も含まれる。国籍別の内訳も、この報道からは確認できない。
山梨県は2026年度も、次のような装備を確認する仕組みを設けていた。
- 防寒具
- 上下が分かれた雨具
- 登山に適した靴
安全装備が整っていない場合、登山道の利用を認めない仕組みだ。
こうした取り組みは、外国人だけではなく、すべての登山者を対象としている。
富士山のオーバーツーリズムはどこで起きている?環境省は2024年3月、富士登山のオーバーツーリズム対策パッケージを取りまとめた。
背景には、特定の登山道や時間帯への登山者の集中、弾丸登山、危険行為、ルールやマナー違反などがあった。
特に問題となるのが、御来光を目指す登山者が集中する時間帯だ。
富士登山オフィシャルサイトによると、例年7月下旬から8月下旬にかけて登山者が増え、週末や祝日は混雑しやすい。
また、午前3時から5時ごろにかけては、八合目から山頂付近で登山者が集中する。
オーバーツーリズムの問題は、単純に年間の登山者数が多いということだけではない。
限られた時間帯に登山者が集中することによって、登山道の渋滞、休憩場所の不足、トイレの混雑、安全管理の負担などが発生する点にある。
2026年の登山者数が増加したことも、こうした課題への対策を継続する必要性を示している。
【登山規制はどう変わった?】2026年の入山料・人数制限と安全対策
外国人登山者が増加するなか、富士山では登山者全体の安全を守るための規制が続いている。
2026年の吉田ルートでは、2024年に導入された登山規制を基本的に継続した。
2026年の吉田ルートの登山規制山梨県が公表した2026年度の規制内容は次のとおりだ。
| 規制項目 | 2026年の内容 |
|---|---|
| 開山期間 | 7月1日~9月10日 |
| 通行料 | 1人1回4,000円 |
| ゲート閉鎖 | 14時~翌3時 |
| 1日の登山者数 | 原則4,000人まで |
| 装備確認 | 防寒具・雨具・登山靴 |
| 予約 | 事前予約を推奨。当日受付も可能 |
※山小屋宿泊者には時間規制・人数規制の例外がある。通行料は必要。
この制度は、中国人観光客だけを対象にしたものではない。日本人を含むすべての登山者に適用される。
なぜ入山料とゲート規制が必要なのか富士山では、山頂から御来光を見るために夜間に登り始める登山者が多かった。
しかし、山小屋に宿泊せず夜通しで登る弾丸登山には、高山病や低体温症、疲労による事故などの危険がある。
また、登山者が同じ時間帯に集中すると、山頂付近の渋滞が発生しやすくなる。
そこで山梨県は、ゲートの閉鎖時間と人数上限を設け、登山者の集中を抑える仕組みを導入した。
2026年は14時までに4,000人の上限に達した日は0日だったと、富士吉田市が発表している。
これは、人数制限の上限に到達しなかったという意味であり、混雑問題が完全に解消したことを示すものではない。
2026年は外国人向けの多言語対応も継続山梨県は2026年度の登山案内について、日本語だけでなく英語、中国語の簡体字・繁体字、フランス語などで規制内容を案内している。
通行予約システムにも複数言語で対応する仕組みが整備された。
これは外国人登山者を排除するためではなく、国籍を問わず安全な登山を実現するための取り組みだ。
登山ルールが分からないまま山に入ることを防ぎ、事前に必要な装備や注意事項を理解してもらうことが目的となっている。
【プロの結論】富士山の中国人観光客問題は減少・マナー・統計を分けて考える
2026年の富士山をめぐる状況から見えてくるのは、中国人観光客が減ったことだけでは説明できない観光構造の変化だ。
登山者全体は増加し、外国人登山者も約3割を占める。一方、忍野八海では中国人団体客が減少し、観光客の国籍構成が変わった。
この二つは矛盾していない。
中国人観光客の減少は富士山人気の低下を意味しない中国政府の渡航自粛要請によって、訪日中国人の数は大きく減少した。
しかし、富士山を訪れる観光客は中国人だけではない。
韓国、台湾、東南アジア、欧米などからの観光客が訪れており、忍野八海でも他国からの来訪者が中国人客の減少を補っている。
また、富士山の登山者数は2026年に約24万人まで増加した。
つまり、中国人観光客の減少と富士山全体の観光需要の減少は、必ずしも連動していない。
マナー問題は国籍ではなく行動で判断する河口湖の液体散布報道は、観光地の環境保全という観点から看過できない問題だ。
しかし、動画に映った一人の人物の行動を、同じ国籍の観光客全体に当てはめることはできない。
本当に問題にすべきなのは、国籍ではなく、自然環境や地域住民の生活に悪影響を与える具体的な行為である。
富士山レンジャーの指導件数についても、装備不足などの安全指導と、悪質なマナー違反を区別する必要がある。
観光地を守るためには、国籍に関係なく同じルールを適用し、違反行為には適切に対応する仕組みが求められる。
今後注目すべき3つのポイント2027年以降の富士山観光を考えるうえで、特に注目したいのは次の3点だ。
1. 中国人観光客の回復状況: 日中関係や渡航自粛要請、航空便の運航状況によって、団体旅行や個人旅行の需要がどのように変化するか。
2. 国籍別統計の充実: 富士山の登山者について、日本人・外国人だけでなく、より詳細な属性を把握できる統計が公表されるか。
3. オーバーツーリズム対策の効果: 入山料や人数制限、多言語案内、現地指導によって混雑や危険行為がどこまで改善するか。
富士山の観光政策は、外国人観光客を増やすことだけを目標にする段階から、自然環境を守りながら、誰もが安全に楽しめる受け入れ体制を整える段階へ進んでいる。
【富士山中国人】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年、富士山に中国人観光客は多いですか?
A1:2026年は中国政府による日本への渡航自粛要請の影響で、中国人観光客は前年より大きく減少しています。特に忍野八海では団体客の減少が現地報道で確認されています。ただし、富士山周辺の観光客全体が大幅に減ったわけではありません。
Q2:2026年の富士山の登山者数は何人ですか?
A2:環境省の発表によると、2026年の開山から9月10日までの4ルート合計は約24万人です。前年の約20万5千人から約17%増加しました。
Q3:富士山の吉田ルートは外国人が何割ですか?
A3:2026年のオンライン予約システムによる集計では約32%です。また、富士吉田市の六合目安全指導センター通過者の集計では、外国人は53,543人で34.2%でした。集計方法と対象が異なる数字です。
Q4:富士山の中国人登山者は何人ですか?
A4:2026年の公表資料から、中国人登山者の正確な人数は特定できません。外国人登山者の合計は公表されていますが、中国人だけの人数を示す国籍別内訳は確認できません。
Q5:忍野八海の中国人観光客はなぜ減ったのですか?
A5:大きな背景には、2025年11月14日に中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけたことがあります。2026年の春節期間にも訪日中国人が減少し、忍野八海の団体旅行客にも影響が出ました。
Q6:河口湖の液体散布事件は中国人観光客による除草剤散布だったのですか?
A6:2026年10月29日の報道では、中国語を話す男性が液体を散布する動画が紹介されました。しかし、男性は液体が水だったと主張しており、除草剤だったと確定していません。山梨県が事実関係を確認しています。
Q7:富士山の入山料はいくらですか?
A7:2026年の吉田ルートでは、1人1回4,000円です。加えて、14時から翌3時までのゲート閉鎖と、1日4,000人の人数上限が設けられています。山小屋宿泊者には規制の例外がありますが、通行料は必要です。
2026年の富士山では、中国人観光客の減少と登山者全体の増加という、一見すると対照的な現象が起きている。
環境省の統計では、登山者数は約24万人。吉田ルートでは外国人登山者が約3割を占める。一方、忍野八海では中国人団体客が大幅に減り、ほかの国・地域からの旅行者がその一部を補っている。
河口湖の液体散布報道や富士山レンジャーの指導件数は、観光地の環境保全と安全管理の必要性を改めて示した。
ただし、中国人観光客の減少、外国人登山者の増加、マナー違反の発生は、それぞれ異なる問題だ。
富士山をめぐる情報を判断するときは、訪日外国人統計、登山者数、現地観光協会の証言、個別の事件報道を混同しないことが大切になる。
今後は、中国人観光客がどこまで回復するかだけでなく、国籍に関係なく誰もがルールを守り、富士山の自然と地域の暮らしを尊重できる観光環境を実現できるかが問われている。
主な参照資料:環境省関東地方環境事務所(2026年9月30日)、富士吉田市(2026年9月11日)、山梨県(2026年度登山規制)、日本政府観光局(2026年9月統計)、外務省『外交青書2026』、FNNプライムオンライン、関西テレビ、テレビ朝日、Hint-Pot。
主な根拠資料・報道
- 環境省の2026年夏期登山者数発表。
- JNTOの2026年9月訪日外客統計。
- 忍野八海の現地取材・観光協会への取材。
- 河口湖の液体散布動画に関する関西テレビの報道。
- 2026年の山梨県登山規制と環境省のオーバーツーリズム対策。