2026年11月3日現在、韓国出身のMLB内野手、金河成(キム・ハソン)はアトランタ・ブレーブスとの契約期間を終え、フリーエージェント(FA)となった。2026年シーズンは51試合の出場で打率.116、0本塁打、9打点という厳しい結果に終わり、右手中指の腱損傷による長期離脱もキャリアに大きな影響を及ぼした。
加えて、ブレーブスは2027年に向けたクオリファイング・オファー(QO)を提示しなかった。2025年にタンパベイ・レイズからブレーブスへ移籍し、2026年には年俸2000万ドルの契約を結んだ金河成だが、次の所属先はまだ決まっていない。2023年のゴールドグラブ賞受賞者が、なぜここまで苦しい状況に追い込まれたのか。パドレス時代の実績、負傷の経緯、FA市場での評価、2027年の移籍先と復活の可能性を整理する。
【2026年最新】金河成の現在は?ブレーブス退団と打率.116の現実

金河成の2026年を振り返ると、シーズン開幕前の負傷が、その後の成績に大きな影を落とした。
ブレーブスは2025年12月、金河成と1年2000万ドルで再契約した。当初は2026年の正遊撃手として起用する構想だった。前年の短いブレーブス在籍期間で見せた打撃と守備が評価され、球団も復活に期待していた。
ところが、2026年1月に韓国滞在中の転倒事故で右手中指の腱を損傷。手術を受け、開幕から長期間離脱することになった。
最終的な2026年レギュラーシーズンの成績は次のとおりだ。
金河成・2026年レギュラーシーズン成績
打率.116
出場試合51試合
本塁打0本
打点9打点
出塁率.219
OPS.359
出典:MLB公式選手成績、2026年レギュラーシーズン終了時点。
特に注目すべきなのは、打率だけでなく長打力も大きく落ち込んだ点だ。129打数15安打、二塁打1本、三塁打1本、本塁打0本という数字は、2023年に攻守で存在感を示した選手の成績としては非常に厳しい。
一方、2026年の成績だけを見て、金河成のMLBでの実力すべてを判断するのも早計だ。
2023年には152試合に出場し、打率.260、17本塁打、38盗塁を記録。守備でも高い評価を受け、ナ・リーグのユーティリティ部門でゴールドグラブ賞を獲得している。
2026年の不振には、負傷による準備不足と実戦経験の不足という背景がある。問題は、これまでの実績を2027年の契約評価につなげられるほど、健康状態とパフォーマンスを回復できるかどうかだ。
【負傷の全経緯】右手中指の腱損傷から復帰、7月には再び負傷者リストへ
2026年の金河成を語るうえで欠かせないのが、右手中指の負傷だ。
今回の問題は、単なる軽い打撲や短期間の休養ではなかった。腱の断裂に対する手術が必要となり、開幕からの長期離脱につながった。
1月:韓国で転倒し右手中指の腱を損傷2026年1月、韓国滞在中に凍結した路面で滑って転倒。右手中指の腱を損傷した。
1月18日、ブレーブスは金河成が右手中指の腱を修復する手術を受けたと発表した。球団が示した復帰までの見通しは約4〜5か月だった。
前年2025年にも右肩の手術から復帰したばかりだったため、2年連続で開幕時期に負傷を抱える状況となった。
4月:マイナーでリハビリ出場を開始4月29日、金河成はブレーブス傘下ダブルAのコロンバスでリハビリ出場を開始した。
初戦は2打数1安打に加えて盗塁も記録。遊撃手として5イニングを守り、実戦復帰への一歩を踏み出した。
ブレーブスは復帰を急がず、徐々に出場時間を増やす方針を取った。
5月12日:ようやく2026年シーズン初出場予定より遅れたものの、5月12日にメジャー復帰を果たした。
しかし、実戦感覚を取り戻すには時間が必要だった。6月は28打数1安打と極端に苦しみ、本来の打撃を取り戻せなかった。
7月4日:同じ右手中指の炎症で再び離脱7月4日、ブレーブスは右手中指の炎症を理由に金河成を10日間の負傷者リスト(IL)に登録した。
これは1月に手術を受けた部位と同じ指だった。
6月までの打撃成績も打率.068と低迷しており、故障から復帰した後も十分な状態ではなかったことが分かる。
その後、8月3日に負傷者リストから復帰したものの、シーズン全体を通じて本来のパフォーマンスを取り戻すことはできなかった。
この経緯から見えてくるのは、2026年の不振が一度の不調だけで説明できないということだ。
右肩の手術から復帰した2025年、右手中指の腱損傷を抱えた2026年と、2年続けてコンディションの問題に直面した。2027年の契約交渉では、過去の成績と同じくらい、負傷の再発リスクや実際の回復状況が重視されるはずだ。
【経歴・実績を比較】パドレス時代からレイズ、ブレーブスまでの転換点
金河成のMLBキャリアは2021年に始まった。
韓国プロ野球(KBO)のキウム・ヒーローズで実績を積んだ後、2020年12月にサンディエゴ・パドレスと契約。2021年からMLBに挑戦した。
当初は打撃面で苦戦したが、2022年以降は徐々に適応。2023年には攻守両面でキャリア最高のシーズンを送り、MLBを代表する守備型内野手の一人として評価された。
その後は肩の負傷、レイズ移籍、ブレーブスへの移籍と、所属球団が変わっている。
金河成の年代別キャリア・球団との関係| 年・時期 | 所属・出来事 | 主な実績・転換点 |
|---|---|---|
| 2021年 | パドレス | MLBデビュー。117試合、打率.202 |
| 2022年 | パドレス | 150試合、打率.251、11本塁打 |
| 2023年 | パドレス | 打率.260、17本塁打、38盗塁。ゴールドグラブ賞受賞 |
| 2024年 | パドレス | 121試合、打率.233。シーズン終盤に右肩を負傷 |
| 2025年2月 | レイズ | 2年契約で加入。右肩手術から復帰 |
| 2025年9月 | ブレーブス | レイズからウェーバーで獲得される |
| 2025年12月 | ブレーブス | 1年2000万ドルで再契約 |
| 2026年1月 | ブレーブス | 右手中指の腱損傷で手術 |
| 2026年10月29日 | FA | 契約期間終了に伴いFAとなる |
特に評価が高いのは2023年だ。
| 指標 | 2023年の成績 |
|---|---|
| 出場試合 | 152 |
| 打率 | .260 |
| 出塁率 | .351 |
| 長打率 | .398 |
| OPS | .749 |
| 本塁打 | 17 |
| 打点 | 60 |
| 盗塁 | 38 |
この年、金河成は二塁、三塁、遊撃をこなしながら安定した守備を披露。ユーティリティ部門のゴールドグラブ賞を初受賞した。
重要なのは、金河成の価値が本塁打数だけで決まる選手ではないことだ。
複数の内野ポジションを守れること、走塁能力があること、守備範囲が広いことは、MLBの球団にとって大きな魅力となる。
2024年のパドレス最終年は右肩の負傷で出場機会が減少。シーズン終了後には相互オプションが行使されず、FA市場に出た。
タンパベイ・レイズへの移籍とブレーブス加入2025年2月、金河成はタンパベイ・レイズと2年総額2900万ドルの契約を結んだ。
契約には2026年の選手オプションが含まれていた。しかし、2024年10月に受けた右肩の手術からの回復が必要となり、レイズでの実戦復帰は7月まで遅れた。
レイズでは24試合に出場し、打率.214、2本塁打という成績だった。
同年9月1日、ブレーブスがウェーバーで獲得。移籍後の24試合では打率.253、3本塁打、12打点を記録した。
この短期間の働きが、ブレーブスとの再契約につながった。
2025年のブレーブスでの好調な期間は、2026年に向けた期待を高める材料だった。だからこそ、翌年の長期離脱と打率.116という結果は、球団にとっても大きな誤算だったと考えられる。
【FA・契約状況】年俸2000万ドルからQO提示なしへ、何が起きた?
2026年11月3日時点で、金河成はFA市場にいる。
2026年にブレーブスと結んでいた契約は1年2000万ドル。契約期間の終了に伴い、10月29日にFAとなった。
そして11月2日、ブレーブスは金河成にクオリファイング・オファーを提示しなかったことが明らかになった。
クオリファイング・オファーとは?クオリファイング・オファー(QO)は、一定の条件を満たすFA選手に対して、所属していた球団が提示できる1年契約だ。
2026年オフのQO金額は、2027年シーズンの1年2315万ドルに設定された。
この金額はMLBの高額年俸選手上位125人の平均額を基準に決まる。
QOを受け取った選手は、提示を受諾すれば翌年も元の球団でプレーする。拒否して別球団と契約した場合には、条件に応じて元の球団がドラフト指名権の補償を受け、新球団側にも指名権を失うなどの負担が生じる。
なぜ金河成にはQOが提示されなかったのか2026年オフにQOを受け取った選手は8人だった。
金河成はその8人に含まれていない。
ブレーブスが提示を見送った背景として考えられるのは、次の3点だ。
1. 2026年の打撃成績が極端に低かった
打率.116、0本塁打、OPS.359という数字は、年俸2000万ドルの選手に対する評価として厳しい。
2. 2年連続で故障による離脱があった
右肩の手術に続いて右手中指の腱損傷を経験。年間を通じて安定した稼働を見込めるかという問題が残った。
3. QO金額が2315万ドルと高額だった
2026年の契約額2000万ドルを上回る金額を、球団がもう1年保証するにはリスクが大きい。
これらは成績と契約条件から読み取れる経営上の判断材料であり、球団が公表した正式な見送り理由ではない。
QO提示なしは金河成にとって不利なのか?実は、FA交渉の一面では有利に働く可能性がある。
金河成はQOを受け取っていないため、彼と契約する新球団にQOに伴うドラフト指名権補償の負担が発生しない。
これは獲得を検討する球団にとって、交渉上の障壁が一つ減ることを意味する。
また、金河成は過去にもFAとなっているが、QOを提示されたことはない。2025年はシーズン途中にレイズからブレーブスへ移籍したため、QOの対象資格を満たさなかった。2024年オフにはパドレスからQOを提示されていない。
したがって、今回のQO提示なしは、FA市場から締め出されたことを意味しない。
むしろ、ドラフト指名権の負担なく獲得できるという条件は、金河成にとって交渉材料になり得る。
【2027年の移籍先予想】ブレーブス残留か、新天地で再出発か
金河成の2027年の所属先は、2026年11月3日時点では決まっていない。
現段階で特定球団との契約や正式な獲得合意が発表された事実はない。
ただし、過去の契約経緯や選手としての特徴を考えると、今後の選択肢を整理できる。
① アトランタ・ブレーブスとの再契約まず考えられるのはブレーブスへの残留だ。
2025年9月に加入した金河成は、短期間ながら打率.253、3本塁打を記録。球団はその働きを評価し、2025年12月に1年2000万ドルで再契約した。
ブレーブスの球団関係者が、短い在籍期間でもチームへの適応やクラブハウスでの相性を評価していたことも、MLB公式の契約発表記事で紹介されている。
ただし、2026年の成績は再契約時の期待を大きく下回った。
再契約する場合には、以前と同じ役割や金額が保証されるとは考えにくい。
② 内野の守備力を必要とする別球団金河成の市場価値を考えるうえで、守備力は重要な要素だ。
2023年にゴールドグラブ賞を受賞した実績があり、遊撃だけでなく二塁、三塁も守れる。
攻撃面で長打を量産するタイプではなくても、内野の複数ポジションを守れる選手は、長いシーズンを戦うMLB球団にとって編成上の価値がある。
特に、守備の安定性と内野の選手層を重視する球団であれば、獲得を検討する余地がある。
③ 短期契約で実績を取り戻す道もう一つ現実的なのが、短期契約による再出発だ。
2026年の打率.116だけを基準にすると、高額の複数年契約を結ぶのは難しい。
一方、2023年の実績と2025年のブレーブスでの働きを考慮すれば、健康状態が改善した際の上積みを期待する球団が現れる可能性はある。
例えば、1年契約や出来高を組み合わせた契約で出場機会を確保し、結果を残して再び評価を高める方法だ。
ただし、これは契約市場の状況から考えられるシナリオであり、具体的な球団や契約条件が決まったわけではない。
2027年の移籍先を判断する3つのポイント| 判断材料 | 球団が注目する内容 |
|---|---|
| 健康状態 | 右手中指の回復、右肩の状態、故障再発のリスク |
| 守備力 | 遊撃・二塁・三塁での守備範囲と送球の安定性 |
| 打撃力 | 出塁率、三振率、長打力の回復 |
2027年の移籍先を予測する際に、球団名だけを先行させるのは適切ではない。
金河成の場合、まずは健康状態と守備力の評価があり、その次に打撃面の復調が契約条件を左右する構図になるだろう。
【復帰・再起の可能性】金河成は再びゴールドグラブ級の選手になれるのか
金河成の復活を考えるうえで、2023年と2026年の成績を比較することには意味がある。
2023年は打率.260、17本塁打、38盗塁。2026年は打率.116、0本塁打、2盗塁だった。
数字だけを見ると大きな後退だが、両シーズンの間には肩と指の手術、長期離脱、実戦経験の不足という違いがある。
再起を期待できる理由第一に、MLBで実績を残した経験がある。
2023年のゴールドグラブ賞は、単に一時的に好調だったことを示すものではない。複数ポジションで守備能力を発揮し、シーズンを通じて評価された結果だ。
第二に、守備と走塁という打撃以外の武器を持っている。
打率が低迷している選手でも、守備範囲や走塁で貢献できれば、起用する価値は残る。
第三に、QOによるドラフト指名権補償がない。
新球団が獲得を検討する際、ドラフト指名権の損失を考慮する必要がないことは、選手本人にとってプラス材料になる。
復活を難しくする要素一方で、課題も明確だ。
- 2025年に右肩の手術を経験している。
- 2026年には右手中指の腱損傷で長期離脱した。
- 復帰後も打率.116、OPS.359にとどまった。
- 2年連続でシーズンを通じた安定した稼働ができなかった。
特に重要なのは、単純に試合へ復帰することと、MLBのレギュラーとして年間を通じて出場することは別問題だという点だ。
2027年に評価を取り戻すには、春季キャンプから通常の守備練習や打撃練習を継続できること、そして開幕後も安定して出場できることが必要になる。
【プロの結論】金河成の価値は打率だけでは決まらない金河成の今後を判断する際、最も重要なのは2026年の打率.116という数字だけに引きずられないことだ。
もちろん、この数字は深刻であり、2027年の契約交渉に影響する。
しかし、2023年のゴールドグラブ賞、パドレス時代の540試合で打率.242を記録した実績、内野の複数ポジションを守れる能力は、依然として評価材料になる。
今後の評価で注目したいのは、次の3点だ。
1. 医療面の回復: 右手中指と右肩に問題がなく、継続してプレーできる状態か。
2. 守備面の復調: 遊撃手としての守備範囲や送球の精度が戻っているか。
3. 打撃面の改善: 出塁率と長打力を取り戻し、レギュラーとして起用できる水準に達するか。
金河成にとって2027年は、単に新しい球団を探す年ではない。MLBで自分の価値をもう一度証明する重要なシーズンになる。
【金河成の現在に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:金河成は2026年現在、どこの球団に所属していますか?
2026年10月29日にFAとなり、11月3日時点では新しい契約先は決まっていません。ブレーブスとの契約期間は終了していますが、同球団との再契約は可能です。
Q2:金河成の2026年の打率と成績は?
ブレーブスでレギュラーシーズン51試合に出場し、129打数15安打、打率.116、0本塁打、9打点、2盗塁でした。OPSは.359です。
Q3:金河成にクオリファイング・オファーは提示されましたか?
提示されていません。2026年オフのQO金額は1年2315万ドルでしたが、ブレーブスは金河成を対象選手に選びませんでした。
Q4:金河成の年俸2000万ドルは2027年も継続しますか?
2026年の1年2000万ドル契約は終了しています。2027年も同額の年俸を受け取ることが決まっているわけではなく、新しい契約条件は今後の交渉次第です。
Q5:金河成の2023年のゴールドグラブ賞は本当ですか?
本当です。2023年にサンディエゴ・パドレスの選手として、ナ・リーグのユーティリティ部門でゴールドグラブ賞を受賞しました。
Q6:金河成は2027年にパドレスへ復帰する可能性がありますか?
制度上は可能ですが、2026年11月3日時点でパドレスとの契約や正式な獲得交渉が発表された事実はありません。現段階では特定球団への復帰を確定的に予測することはできません。
金河成の2026年は、右手中指の腱損傷と長期離脱によって、当初の期待から大きく外れる結果となった。
ブレーブスでの打率.116、0本塁打という成績は厳しく、球団がクオリファイング・オファーを提示しなかったことも、現在の市場評価を表している。
しかし、2023年にゴールドグラブ賞を獲得した実績や、パドレス時代に示した守備力、走塁能力まで失われたわけではない。
2027年の移籍先は未定だが、ブレーブスとの再契約、新球団への移籍、短期契約による再出発など、選択肢は残されている。
今後注目すべきなのは、契約金額や球団名だけではない。右手中指の回復、守備力の復調、そして打率の改善だ。
2026年の不振から、2023年のような攻守に優れた選手へ戻れるのか。金河成の2027年は、MLBキャリアの今後を左右する大きな転換点になりそうだ。