最初に、年度ごとの監督人事を整理しておこう。
日本野球機構(NPB)の2026年度監督・コーチ一覧では、巨人の2軍監督は石井琢朗氏、3軍監督は会田有志氏となっている。したがって、2026年シーズンの会田氏は2軍監督ではなく、3軍監督だった。
その後、2026年10月30日に球団が2027年のコーチングスタッフを発表。会田氏が2軍監督に昇格し、高木康成氏が3軍監督を担当する新体制が明らかになった。
2026年の石井琢朗体制石井氏が巨人の2軍監督に就任したのは2025年11月。前任の桑田真澄氏が2025年シーズン限りで退団したことを受け、球団が新たなファームの指揮官として招いた。
石井氏は現役時代、横浜ベイスターズなどで活躍した名内野手だ。通算2432安打、358盗塁を記録し、最多安打2回、盗塁王4回を獲得。ベストナイン5回、ゴールデングラブ賞4回という実績も持つ。
指導者としては広島、ヤクルト、巨人、DeNAの4球団を経験している。特に広島では打撃コーチとして2016、2017年のリーグ優勝に貢献した。
2026年は、その経験を巨人の若手育成に生かす立場だった。単に試合に勝つだけではなく、選手個々の能力を伸ばし、1軍で活躍できる野手を送り出す役割を担っていた。
2027年の会田有志体制2027年から2軍監督を務める会田有志氏は、巨人の内部で選手、コーチ、育成部門の仕事を経験してきた人物だ。
2026年まで3軍監督を務め、育成選手を中心とするチームの指導に携わっていた。
今回の昇格で注目されるのは、現場で若手選手の成長過程を見てきた人物が、2軍の指揮を執ることになった点である。
3軍から2軍への昇格は、選手の状態や課題を把握したうえで、次の育成段階につなげるという意味でも興味深い人事だ。
【人事を一覧で比較】巨人の2軍・3軍監督とコーチの関係

2026年から2027年にかけてのファーム人事を比較すると、今回の改編の特徴が見えてくる。
| 項目 | 2026年シーズン | 2027年シーズン |
|---|---|---|
| 2軍監督 | 石井琢朗 | 会田有志 |
| 3軍監督 | 会田有志 | 高木康成 |
| 2軍打撃担当 | 金城龍彦(オフェンスコーチ) | 金城龍彦(打撃チーフ) |
| 2軍打撃コーチ | 大田泰示 | ゼラス・ウィーラー |
| 2軍投手チーフ | 山口鉄也 | 野上亮磨 |
| 2軍投手コーチ | 大竹寛 | 古川祐樹 |
| 巡回打撃コーチ | 矢野謙次 | 石井琢朗 |
| 巡回投手コーチ | 久保康生 | 久保康生 |
出典:NPBの2026年度監督・コーチ一覧、読売ジャイアンツの2027年度コーチングスタッフ発表、報道各社のスタッフ一覧。
この比較で見逃せないのは、監督だけでなく、打撃・投手部門にも配置転換が行われていることだ。
2027年の2軍は金城龍彦氏が打撃チーフを務め、ゼラス・ウィーラー氏が打撃コーチに入る。投手部門では野上亮磨氏がチーフとなり、古川祐樹氏が投手コーチに就く。
つまり、2027年の巨人は監督交代だけではなく、ファームの指導体制そのものを組み直している。
特に金城氏の役職がオフェンスコーチから打撃チーフコーチへ変わったことは、打撃部門の責任体制を明確にする動きとして注目される。
【交代理由を検証】なぜ石井琢朗は2軍監督から巡回打撃コーチになったのか
今回の人事で、多くの巨人ファンが気になるのが石井琢朗氏の配置転換だろう。
2026年に2軍を率いた石井氏は、2027年から巡回打撃コーチに就任する。監督という立場を離れるものの、巨人の指導スタッフから外れるわけではない。
球団が説明した交代の背景2026年10月30日の新体制発表で、球団は会田氏と高木氏を2軍・3軍監督に配置した狙いを説明している。
球団が示した方針の中心は、ファームの育成責任者やフロント経験を持つ両氏を指揮官に据え、長期的な視点を育成現場に持ち込むことだった。
「スケールの大きい選手を育てるための中期的な視野と意識を育成現場にもたらすことも狙いの一つです」
この説明から読み取れるのは、目先の試合結果だけではなく、将来の主力選手を育てるための組織的な取り組みを強化しようとしていることだ。
ただし、球団は石井氏の配置転換について、成績不振や指導上の問題を理由とする説明をしていない。したがって、今回の交代を石井氏の評価低下や事実上の解任と結び付けるのは適切ではない。
石井琢朗の巡回打撃コーチ就任にはどんな意味がある?巡回打撃コーチは、特定のチームだけでなく、複数のカテゴリーにまたがって打撃指導を行う役職だ。
石井氏には、横浜、広島、ヤクルト、巨人、DeNAで積み上げてきた豊富な指導経験がある。
2027年の配置では、2軍の監督という立場から離れ、1軍・2軍・3軍を横断する打撃指導に携わることになる。
この配置には、次のような意義が考えられる。
- 指導の一貫性: 各カテゴリーで打撃の課題や指導方針を共有しやすくなる。
- 専門性の活用: 石井氏が持つ打撃指導の経験を複数の選手に生かせる。
- 選手の成長段階への対応: 1軍昇格前後の選手についても、継続的な打撃指導を行える可能性がある。
ただし、具体的な巡回スケジュールや担当選手、指導範囲の詳細は、発表されたスタッフ一覧だけでは分からない。
重要なのは、石井氏が現場を離れるのではなく、役割を変えて巨人の育成組織に残る点だ。
【会田有志の経歴と実績】新2軍監督に抜てきされた理由
1984年1月30日生まれ・埼玉県出身
佐野日本大学高校、中央大学を経て2005年大学・社会人ドラフト7巡目で巨人に入団。現役引退後も球団に残り、指導者として経験を積んできた。
会田氏の経歴で注目したいのは、現役時代の実績だけではない。
選手として巨人に所属した後、トレーニングコーチなどを歴任し、育成現場に長く関わってきたことが大きな特徴だ。
現役時代は独特のアンダースローで活躍会田氏は右投右打の投手。中央大学から2005年の大学・社会人ドラフト7巡目で巨人に指名された。
現役時代は独特のアンダースローが持ち味だった。
NPBの個人年度別成績によると、通算成績は以下のとおり。
| 項目 | 成績 |
|---|---|
| 所属 | 読売ジャイアンツ |
| 投手としての通算勝利 | 3勝 |
| 通算登板 | 37試合 |
| 通算防御率 | 2.88 |
| 引退 | 2009年 |
2007年には34試合に登板し、3勝2敗、防御率3.03を記録した。
また、会田氏の父は元ヤクルト投手の会田照夫氏。親子で1軍登板を果たしたことでも知られ、当時のプロ野球で注目された。
引退後は巨人の育成部門で経験を重ねる2009年限りで現役を引退した会田氏は、その後も巨人に在籍し、トレーニングコーチなどを務めてきた。
この経歴は、2027年の2軍監督人事を考えるうえで重要だ。
プロ野球のファームでは、選手の能力だけでなく、身体づくり、技術習得、実戦経験、コンディション管理など、複数の要素を長期的に管理する必要がある。
会田氏は投手としての経験に加えて、育成スタッフとしての実務経験も持つ。
2026年には3軍監督として育成選手を中心とするチームを指導。その現場経験を踏まえ、翌2027年から2軍を率いることになった。
今回の人事は、外部から新しい指揮官を招くのではなく、球団内部で育成の流れを理解している人物を昇格させた点に特徴がある。
【高木康成が3軍監督に就任】会田との役割分担と育成方針
静岡県出身・2027年3軍監督
静岡高校から1999年ドラフト2位で近鉄に入団。オリックス、巨人でもプレーした左腕投手。
2027年の3軍監督に就任する高木康成氏も、今回のファーム改編を理解するうえで欠かせない人物だ。
現役時代は主にリリーフ投手として活躍し、近鉄、オリックス、巨人で通算258試合に登板。2014年限りで現役を引退した。
引退後は巨人の1・2軍サブマネジャー、監督担当、編成本部長補佐などを歴任。2026年はファーム統括兼編成担当として育成部門に携わっていた。
なぜ高木氏が3軍監督に選ばれたのか高木氏の強みは、選手としての経験だけでなく、球団運営や編成、育成部門の仕事にも携わってきたことだ。
3軍は、1軍や2軍とは異なり、育成選手が中心となるカテゴリーとして機能している。
選手の成長段階によっては、試合経験を積むこと自体が重要な課題となる。技術的な修正だけでなく、身体づくりや実戦への適応を長い時間軸で考える必要がある。
高木氏がファーム統括兼編成担当として蓄積してきた知識は、こうした選手の育成や評価に生かされることが期待される。
会田2軍監督と高木3軍監督の連携2027年の新体制では、会田氏と高木氏がそれぞれ2軍・3軍を率いる。
両者に共通するのは、ファームの育成部門やフロントに関わった経験を持つことだ。
この組み合わせには、育成選手が3軍から2軍へ、さらに1軍へと進む過程で、選手の成長情報や課題を共有しやすくする狙いがあると考えられる。
特に重要なのは、2軍と3軍を別々の組織として考えず、選手の成長段階に応じた連続的な育成の場として機能させることだ。
もちろん、監督を交代しただけで若手が自動的に成長するわけではない。実際の成果は、練習内容、起用方法、昇格判断、1軍との連携によって左右される。
【巨人ファームの2027年育成方針】金城龍彦ら新コーチ陣にも注目
2027年の巨人ファームで、監督と並んで注目したいのがコーチ陣の役割変更だ。
特に金城龍彦氏、ゼラス・ウィーラー氏、野上亮磨氏の配置は、若手育成の方向性を考えるうえで重要になる。
金城龍彦が2軍打撃チーフコーチに就任2027年の2軍打撃チーフコーチ。2026年のオフェンスコーチから役職が変わる。
金城氏は、2026年には2軍オフェンスコーチを担当していたが、2027年は打撃チーフコーチとなる。
打撃部門の中心的な役職を担うことになり、会田監督の下で若手野手の育成に関わる。
また、ウィーラー氏が2軍打撃コーチに配置されることで、異なる経験や視点を持つ指導者が同じ打撃部門を担当する体制になる。
2027年のファームコーチングスタッフ2026年10月30日に発表された主なスタッフは以下のとおり。
2軍
- 監督:会田有志
- 打撃チーフコーチ:金城龍彦
- 打撃コーチ:ゼラス・ウィーラー
- 内野守備走塁コーチ:脇谷亮太
- 外野守備走塁コーチ:鈴木尚広
- 投手チーフコーチ:野上亮磨
- 投手コーチ:古川祐樹
- バッテリーコーチ:田口昌徳
3軍
- 監督:高木康成
- 打撃コーチ:大田泰示
- 内野守備走塁コーチ:未定
- 外野守備走塁コーチ:立岡宗一郎
- 投手チーフコーチ:大竹寛
- 投手コーチ:西村健太朗
- バッテリーコーチ:市川友也
巡回
- 巡回打撃コーチ:石井琢朗
- 巡回投手コーチ:久保康生
今後のファームを評価する際には、次の3点が重要になる。
1. 打撃指導の一貫性
金城氏を中心とする2軍打撃部門と、巡回する石井氏がどのように連携するかが注目される。若手野手の打撃課題をカテゴリー間で共有できれば、昇格後の適応にもつながる。
2. 投手育成の継続性
野上氏が2軍投手チーフ、大竹氏が3軍投手チーフを担当する。育成段階に応じた投手指導と、上位カテゴリーへの昇格判断が重要になる。
3. 3軍から1軍までの戦力供給
高木氏が3軍監督として選手を育て、会田氏が2軍で次の段階を担う。最終的には松井秀喜監督率いる1軍で活躍できる選手を何人送り出せるかが問われる。
今回の体制変更は、スター選手を獲得するだけではなく、球団内部から次の主力選手を育てる仕組みを整える試みとして見ることができる。
【プロの結論】巨人の2軍監督交代で本当に注目すべきこと
巨人の2027年ファーム人事で最も重要なのは、会田有志氏が2軍監督に就任したことだけではない。
石井琢朗氏を巡回打撃コーチに配置し、会田氏と高木康成氏を2軍・3軍の指揮官に据えたことで、育成部門の役割分担を再構築した点にある。
この新体制を評価するための判断基準は、次の3つだ。
- 若手の1軍昇格数: ファームで育った選手が実際に1軍の戦力になっているか。
- 選手の成長度: 打撃、守備、投球などの課題が改善されているか。
- カテゴリー間の連携: 3軍から2軍、2軍から1軍への移行が円滑に進んでいるか。
監督の知名度や現役時代の実績だけで、新体制の成功を判断することはできない。
石井氏の指導力を巡回体制でどう生かすか、会田氏が3軍で培った経験を2軍の運営にどう反映するか、そして高木氏が3軍でどのような育成環境をつくるか。この3点が2027年の大きな見どころになる。
【巨人の2軍監督】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の巨人の2軍監督は誰ですか?
A1:2026年シーズンの2軍監督は石井琢朗氏です。NPBの2026年度監督・コーチ一覧にも掲載されています。
Q2:2027年の巨人の2軍監督は誰ですか?
A2:会田有志氏です。2026年10月30日に発表された2027年のコーチングスタッフで正式に明らかになりました。
Q3:石井琢朗氏は巨人を退団したのですか?
A3:いいえ。2027年は巡回打撃コーチに配置転換されています。2軍監督から役職は変わりますが、引き続き巨人の指導スタッフを務めます。
Q4:会田有志氏はどのような経歴の持ち主ですか?
A4:佐野日本大学高校、中央大学を経て2005年の大学・社会人ドラフト7巡目で巨人に入団した元投手です。2009年に現役を引退し、その後は巨人のトレーニングコーチなどを歴任。2026年は3軍監督を務めました。
Q5:2027年の巨人の3軍監督は誰ですか?
A5:高木康成氏です。元近鉄・オリックス・巨人の投手で、引退後はファーム統括兼編成担当などを経験しています。
Q6:2027年の巨人2軍打撃チーフコーチは誰ですか?
A6:金城龍彦氏です。2026年の2軍オフェンスコーチから、2027年は2軍打撃チーフコーチに役職が変わります。
Q7:巨人が2軍監督を交代させた理由は何ですか?
A7:球団は会田有志氏と高木康成氏の育成部門・フロント経験を生かし、中期的な視点でスケールの大きい選手を育てる狙いを説明しています。石井琢朗氏の配置転換について、成績不振など個別の理由は公表されていません。
巨人の2軍監督は、2026年シーズンの石井琢朗氏から、2027年シーズンの会田有志氏へ交代する。石井氏は巡回打撃コーチ、高木康成氏は3軍監督となり、金城龍彦氏は2軍打撃チーフコーチに就任する。
この改編の背景にあるのは、松井秀喜新監督の就任に伴う組織再編と、ファームの中長期的な育成力を高めるという球団の方針だ。
2027年は、会田監督と高木3軍監督の連携、石井巡回打撃コーチの指導力、金城打撃チーフを中心とした若手野手の強化が注目される。新体制の本当の評価は、ファームから1軍の主力選手をどれだけ送り出せるかによって決まる。
巨人の次の黄金時代を支える選手が、この新しい育成体制から生まれるのか。2027年シーズンは、1軍の勝敗だけでなく、ファームの成長にも注目したい。
主な情報・参考資料
- 日本野球機構(NPB)「2026年度 監督・コーチ一覧」
- 読売ジャイアンツ「来季のコーチングスタッフについて」(2026年10月30日)
- 日刊スポーツ「松井体制を支えるファーム改編」(2026年10月30日)
- 日刊スポーツ「会田有志・高木康成の人事と球団説明」(2026年10月30日)
- 日本プロ野球名球会「石井琢朗プロフィール・通算成績」
- NPB「会田有志 個人年度別成績」