合同結婚式とは、複数のカップルが同じ会場に集まり、一斉に結婚の儀式を行う形式です。日本でこの言葉が使われる場合、特に注目されるのが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が実施してきた「祝福結婚式」です。教団の指導者が結婚相手の選定に関与する独特の仕組みや、国籍を超えた結婚、参加に伴う献金などが社会的な議論を呼んできました。
2026年11月現在、この問題は新たな局面を迎えています。2026年3月には東京高裁が旧統一教会の解散命令を維持し、6月には最高裁が教団側の特別抗告を棄却。一方、韓国では5月に約1,000人規模の合同結婚式が開催されたと報じられています。なぜこの結婚制度が生まれ、どのような人々が参加し、何が問題視されてきたのでしょうか。歴史、仕組み、費用、参加者、そして2026年の最新状況を整理します。
【基本知識】合同結婚式とは?旧統一教会との関係と一般的な結婚式との違い

合同結婚式は、複数のカップルが同時に結婚の儀式を行う形式を指します。一般的な集団結婚式と、旧統一教会が実施する合同結婚式は、同じ言葉で呼ばれていても意味合いが異なります。
旧統一教会では「祝福結婚式」と呼ばれている世界平和統一家庭連合は、1954年に韓国で文鮮明によって創設された宗教団体です。創設当初の名称は「世界基督教統一神霊協会」で、日本では長年「統一教会」「統一協会」と呼ばれてきました。
2015年には日本で名称を世界平和統一家庭連合に変更しています。ただし、社会的には現在も「旧統一教会」という呼称が広く使用されています。
教団が実施する合同結婚式の正式な宗教的呼称は「祝福結婚式」です。これは単に複数の男女が同じ日に結婚するイベントではありません。
教団の教義では、結婚と家庭形成を人類の救済や理想世界の実現に結び付けています。男女が神の愛を中心とした家庭を築き、宗教的に正しい血統を受け継ぐことが重視されます。
つまり、一般的な結婚式が本人同士の愛情や家族の意思を中心に組み立てられるのに対し、旧統一教会の祝福結婚式は、教団独自の宗教観に基づく結婚制度として位置付けられています。
一般的な合同結婚式との違い複数のカップルが同じ日に結婚すること自体は、旧統一教会だけのものではありません。自治体や企業、イベント主催者が企画する集団結婚式も存在します。
両者を区別する要点は、結婚相手の選定方法と宗教的な意味付けです。
- 一般的な合同結婚式:すでに結婚を決めたカップルが、費用や会場の都合などから合同で挙式する。
- 旧統一教会の祝福結婚式:教団の信仰や祝福の儀式を通じて、夫婦としての結び付きを宗教的に承認する。
なお、宗教上の祝福と法律上の婚姻成立は別の問題です。法務省によると、海外で結婚式を挙げた場合も、その国の法律に従って婚姻が成立するかどうかによって、日本での戸籍上の取り扱いが変わります。式典への参加だけで自動的に日本の法律上の婚姻が成立するわけではありません。
【歴史と経緯】合同結婚式はいつ始まった?1960年から2026年までの重要な出来事
合同結婚式の歴史を理解するには、創始者の文鮮明と韓鶴子の結婚、そして教団の世界的な拡大を押さえる必要があります。
1960年、韓国で最初の祝福結婚式が実施された教団の沿革によると、最初の合同祝福結婚式は1960年4月16日に韓国で実施され、3組のカップルが参加しました。
その翌年の1961年5月15日には33組が参加しています。この最初の3組と33組を合わせて「36双」と呼ぶこともあります。
当初は教団内部の幹部や信仰上の中心的な立場にある人々が主な対象でしたが、その後、参加規模は段階的に拡大していきました。
1980年代から1990年代に世界的な注目を集める合同結婚式が日本国内で広く知られるようになったのは、1980年代後半から1990年代にかけてです。
1988年には韓国で約6,500組が参加した祝福結婚式が開催されました。さらに1992年8月25日には、ソウルのオリンピック・スタジアムで大規模な国際合同結婚式が行われました。
この1992年の式典には、女優の桜田淳子、元新体操選手の山崎浩子、元バドミントン選手の徳田敦子らが参加したことで、日本の芸能ニュースや社会ニュースでも大きく取り上げられました。
1995年には36万双と称する大規模な祝福式も開催されています。ただし、こうした大規模な参加数には教団独自の集計や祝福対象の扱いが関係しており、すべての人数が当日の会場に集まった新婚カップル数を意味するわけではありません。
合同結婚式の歴史年表| 時期 | 主な出来事 | 社会的な意味 |
|---|---|---|
| 1954年 | 韓国で世界基督教統一神霊協会を創設 | 教団の出発点 |
| 1960年 | 3組による最初の祝福結婚式 | 宗教儀式として始まる |
| 1961年 | 33組による祝福結婚式 | 初期の36双の形成 |
| 1975年 | 約1,800組が参加した式典 | 参加規模が拡大 |
| 1982年 | 約2,075組、約6,000組の式典 | 国際的な展開が進む |
| 1988年 | 約6,500組の祝福結婚式 | 日本人参加者も注目される |
| 1992年 | ソウルで3万双と称する国際式典 | 日本の著名人の参加で大きな話題に |
| 1995年 | 36万双と称する式典 | 大規模な国際祝福へ拡大 |
| 2012年 | 文鮮明が死去 | 教団の指導体制が変化 |
| 2022年 | 安倍晋三元首相銃撃事件を契機に教団問題が再燃 | 献金や宗教2世問題が社会的争点に |
| 2025年3月 | 東京地裁が解散命令 | 日本での宗教法人としての存続に重大な転機 |
| 2026年3月・6月 | 東京高裁が解散命令を維持、最高裁も特別抗告を棄却 | 解散命令をめぐる司法判断が確定 |
| 2026年5月 | 韓国で約1,000人規模の合同結婚式 | 日本からも約430人が参加 |
この年表から分かるのは、合同結婚式が単なる一時的な宗教イベントではなく、教団の拡大や組織運営と深く結び付いてきたということです。
なお、初期の開催日や組数は教団の沿革資料を基礎とし、近年の動向は共同通信などの報道に基づいています。
【仕組みと参加条件】結婚相手は誰が決める?参加者の選定から式当日まで
合同結婚式について多くの人が疑問に感じるのが、「参加者はどのように結婚相手を決めるのか」という点です。
一般的な結婚式では、本人同士が交際を経て結婚を決めます。一方、旧統一教会では、教団の指導者や親、信者同士のマッチングが結婚相手の選定に関わってきました。
結婚相手を決めるマッチング制度文鮮明が存命だった時代には、教祖自身が男女の写真などを確認して相手を選ぶ「写真マッチング」が行われていたと、元信者らが証言しています。
教団内部では、指導者による選定が宗教的な意味を持ち、本人たちが自分では選ばない相手との結婚にも特別な意味があると説明されてきました。
その後は、親が信者の子どもの結婚相手を選ぶ「父母マッチング」など、複数の方式が存在するようになっています。
重要なのは、合同結婚式の会場で初めて相手が発表され、すべてのカップルがその場で結婚を決めるわけではないという点です。元2世信者の小川さゆり氏は、参加者の中には式典より前に相手が決まっている人もいるとインタビューで説明しています。
合同結婚式の主な参加条件参加条件は時代や信者の立場、教団内部の制度によって異なります。過去の元信者の証言では、次のような条件が挙げられています。
- 教団の信仰を受け入れていること。
- 一定の宗教的な研修や修練会に参加すること。
- 信仰生活に関する一定の実践を行うこと。
- 結婚相手のマッチングや祝福の手続きに参加すること。
- 所定の献金など、経済的な負担に対応すること。
小川さゆり氏はJBpressのインタビューで、自身が以前に聞いていた参加基準として、7日間の断食、修練会への参加、一定期間の敬拝、140万円の感謝献金などを挙げています。ただし、これは当時の証言に基づくもので、2026年現在の全参加者に適用される統一的な公式条件ではありません。
式典当日は何をするのか合同結婚式の内容は開催時期や会場によって異なりますが、過去の報道では、主に次のような内容が確認されています。
- 新郎新婦が会場に集合する。
- 教団指導者や関係者による宗教的な祝福が行われる。
- 夫婦としての誓いを立てる。
- 指輪の交換などの儀式を行う。
- 式典後に記念撮影や関連行事を実施する。
2023年5月の式典を取材したFRIDAYデジタルは、「聖婚問答」と呼ばれる誓いの儀式や指輪交換が行われたと報じています。
このように、合同結婚式は単に大勢の人が一緒に挙式するものではなく、結婚相手の選定から宗教的な誓約まで、教団独自の制度と一体になっているのが特徴です。
【参加者と費用】合同結婚式には誰が参加する?140万円や70万円という金額の実態
合同結婚式の参加者には、長年教団で信仰生活を送ってきた信者、信者の子どもに当たる宗教2世、国際結婚を希望する人など、さまざまな立場の人が含まれます。
参加者全員が同じ年齢や経歴を持つわけではなく、すでにマッチングが成立しているカップルもいます。
日本人女性と韓国人男性の国際結婚合同結婚式で特に社会的な注目を集めてきたのが、日本人女性と韓国人男性による国際結婚です。
教団の国際結婚制度では、国籍や文化の違いを超えて家庭を形成することが宗教的な理想と結び付けられています。日本人女性が韓国に移住し、韓国人男性と家庭を築くケースも多く報告されてきました。
文藝春秋のルポや2026年9月の共同通信報道では、韓国に渡った日本人女性信者は約7,000人に上るとの見方が紹介されています。ただし、この数字は推計であり、現在も韓国で生活している人数を確定した統計ではありません。
国際結婚は新しい文化や生活環境に適応する機会になる一方、言語、経済状況、家族関係、生活習慣などの違いによって困難が生じる場合もあります。特に、本人が十分な情報を得て結婚を決められたか、結婚後に問題が起きた際に外部へ相談できるかは重要な論点です。
合同結婚式の費用はいくら?合同結婚式の費用は、一般的な結婚式のように全国共通の料金表があるわけではありません。参加時期、信者の世代、国籍、献金の扱い、渡航費などによって負担額が異なります。
過去の報道では、次のような金額が伝えられています。
| 報道時期 | 報じられた金額 | 内容と注意点 |
|---|---|---|
| 2022年 | 日本人約140万円 | 元信者が過去の参加費用として証言。韓国人は約14万円だったとの説明もあった。 |
| 2023年 | 一般信者約70万円 | FRIDAYが教団関係者の証言として紹介した金額。 |
| 2023年 | 2世信者約20万円 | 同じく教団関係者の証言に基づく参加献金の目安。 |
TBSの報道特集は2022年、合同結婚式に2度参加した元2世信者の証言として、日本人は140万円、韓国人は14万円だったと報じました。
これに対して教団側は、祝福献金には発展途上国からの参加者を支援する目的もあり、日本人信者がより多く献金する場合があると説明しています。また、金額は目安であると回答しました。
一方、2023年のFRIDAYデジタルは、教団関係者の話として一般信者70万円、2世信者20万円という金額を紹介しています。
これらの金額は報道された時期や対象者が異なります。140万円、70万円、20万円のいずれかを2026年現在の一律の参加料金と考えるのは正確ではありません。
参加費以外に発生する経済的負担海外で開催される式典に参加する場合には、航空券、宿泊費、食費、現地での移動費なども考慮する必要があります。
また、結婚後に韓国などへ移住する場合には、住居費、就労環境、語学習得、子育てなどの生活費も問題になります。
したがって、参加献金だけを比較して経済的負担の全体像を判断することはできません。過去の参加者の証言や報道された金額と、現在の制度を混同しないことが大切です。
【評判と問題点】なぜ合同結婚式は批判される?本人の意思、献金、国際結婚の課題
合同結婚式の評価が分かれる理由は、宗教的な価値観と、結婚における個人の自由や人権が交差するためです。
参加者の中には、祝福結婚を信仰上の重要な節目と捉え、夫婦や家庭を築くことに意義を見いだす人もいます。一方、元信者や被害者支援に取り組む弁護士からは、結婚相手の選定、献金、結婚後の生活などについて問題が指摘されています。
問題点1:結婚相手を自分で選べるのか最も大きな論点の一つが、結婚相手の選定における本人の意思です。
写真マッチングや親によるマッチングでは、宗教的な指導者や家族が結婚相手の選定に関与します。本人がその仕組みに納得して自ら選択している場合と、信仰上の義務や周囲の期待によって断りにくい状況に置かれている場合では、実態が大きく異なります。
特に、若い世代の信者が結婚について十分な情報を得られているか、相手との関係を断る自由があるかは、慎重に考える必要があります。
問題点2:高額献金と経済的な負担献金の問題も、合同結婚式をめぐる批判の中心です。
2022年のTBS報道では、元信者が日本人参加者に対する高額な献金負担を証言しました。教団側は支援目的や目安としての金額だと説明しましたが、献金の金額が信者の経済状況に与える影響は別途検証されるべき問題です。
結婚を希望する信者が、宗教的な祝福を受けるために高額な支出を求められた場合、生活資金や将来の家計に影響する可能性があります。
また、合同結婚式だけでなく、日常的な献金勧誘や物品購入などをめぐる被害も、旧統一教会の問題として司法の場で取り上げられてきました。
問題点3:国際結婚後の生活と女性への支援日本人女性が韓国人男性と結婚し、韓国へ移住したケースでは、結婚後の生活支援も重要な課題になっています。
2026年9月26日、全国霊感商法対策弁護士連絡会は、旧統一教会の清算手続きに関連する集会を東京都内で開催しました。
共同通信の報道によると、合同結婚式を通じて韓国へ渡った日本人女性の中には、慰謝料などの賠償請求を検討できる人がいる一方、清算手続きに関する情報が十分に届いていない人もいると指摘されました。
集会では、1988年の合同結婚式で韓国人男性と結婚した後、DVを受けて離婚し、日本に帰国した女性の証言も紹介されています。
この事例は、すべての合同結婚式参加者や国際結婚家庭に当てはまるものではありません。しかし、結婚後に問題が生じた場合、海外在住者が相談先を確保し、経済的・法的な支援を受けられるかという重要な課題を浮き彫りにしています。
評判を判断する際に見るべきポイント合同結婚式については、教団側の肯定的な説明と、元信者や支援団体による批判的な証言の両方があります。
評価を考える際には、次の点を分けて見る必要があります。
- 宗教的な意義:信者本人が祝福結婚をどのような信仰上の意味で受け止めているか。
- 本人の意思:結婚相手や結婚時期について、自由に選択・拒否できたか。
- 経済的な負担:献金や渡航費が生活を圧迫していないか。
- 結婚後の生活:家庭内の問題に対して適切な相談や支援を受けられるか。
- 社会的な影響:信仰を持たない家族や子どもにも過度な負担が及んでいないか。
宗教的な価値観を尊重することと、本人の自由や人権を守ることは両立しなければなりません。問題の核心は、合同結婚式という形式そのものだけではなく、その制度の中で個人の意思決定がどのように保障されているかにあります。
【2026年最新】合同結婚式の現在は?旧統一教会の解散命令と韓国での開催状況
2026年の合同結婚式を理解するうえで、最も重要なのが日本における旧統一教会の解散命令です。
2022年の安倍晋三元首相銃撃事件を契機として、教団と政治家との関係、過去の献金問題、宗教2世への影響などが大きな社会問題となりました。その後、政府による解散命令請求と司法判断が進み、2026年には法的な大きな節目を迎えています。
2025年3月、東京地裁が解散を命令2025年3月25日、東京地方裁判所は世界平和統一家庭連合に対する解散命令を決定しました。
文部科学省は、教団の献金勧誘などによって長期間にわたり多数の人々が財産的・精神的な損害を受けてきたことを、解散命令請求の理由としていました。
教団側はこの判断を不服として東京高裁に即時抗告しました。
2026年3月、東京高裁が解散命令を維持2026年3月4日、東京高等裁判所は教団側の即時抗告を棄却し、東京地裁の解散命令を維持しました。
この判断によって解散命令の効力が生じ、裁判所が選任した清算人による清算手続きが開始されました。
高裁判断では、1973年3月から2016年6月までの献金勧誘による損害額について約74億円と認定したことも報じられています。信者らによる不法行為の態様や被害の重大性が判断の重要な要素となりました。
2026年6月、最高裁が特別抗告を棄却教団側は東京高裁の判断に対して最高裁へ特別抗告しましたが、最高裁判所第三小法廷は2026年6月22日付でこれを棄却しました。翌23日に公表され、解散命令をめぐる一連の司法判断が確定しました。
最高裁は、長期間にわたる不法な献金勧誘行為などを踏まえ、解散が必要でやむを得ない措置であるとの判断を示しました。
この結果、旧統一教会は日本で宗教法人としての法人格を失い、清算手続きが進められることになりました。
2026年5月2日、韓国で合同結婚式を開催日本で解散命令をめぐる手続きが進む中、2026年5月2日には韓国の京畿道加平にある教団施設で合同結婚式が開催されました。
共同通信の報道によると、教団発表では、日本からの約430人を含め、合計約1,000人の新郎新婦が会場に集まりました。
今回の式典には、例年と異なる点もありました。韓鶴子総裁は出席せず、総裁の写真や椅子を前に式典が執り行われたほか、婚姻成立を宣言する過去の肉声が流されたと報じられています。
これは、日本での解散命令や韓国での教団幹部をめぐる問題が続く中でも、信者向けの祝福結婚式が韓国で開催されたことを示す事例です。
解散命令によって信者の結婚や宗教活動は禁止されたのかここで注意したいのが、宗教法人の解散と個人の信仰活動の禁止は同じではないという点です。
清算人の公式FAQによると、旧統一教会は解散によって従来の宗教法人として宗教活動を行うことができなくなりました。また、清算対象となる法人の施設や資産を使って、従来どおりの活動を続けることもできません。
一方、信者個人が法人の施設や資産を利用せず、自分の信仰に基づいて行動することまで清算手続きによって一律に制限されるわけではありません。
したがって、解散命令は信者個人の結婚を無効にしたり、信仰そのものを法律で禁止したりする判断ではありません。
被害者救済に向けた清算手続きも進行中2026年5月20日からは、旧統一教会に対する債権申出の受付が始まっています。
法務省と法テラスの案内によると、献金勧誘などに関する損害賠償請求について、清算人への債権申出期間は2026年5月20日から2027年5月20日までの1年間です。
また、2026年9月の全国霊感商法対策弁護士連絡会の集会では、韓国に移住した日本人女性にも清算手続きの情報を届ける必要性が議論されました。
海外に住む被害者が制度を知らないまま申出の機会を失うことがないよう、情報提供や相談支援の充実が課題になっています。
【合同結婚式の本質】なぜ行われるのか?教団の目的と社会的な意味を分析
合同結婚式が長年続いてきた背景には、教団の宗教的な目的と組織運営の仕組みがあります。
理由1:理想的な家庭を形成するという宗教的な目的教団にとって結婚は、単に男女が家庭を持つための制度ではありません。神を中心とした理想家庭を形成し、人類が一つの家族になるという宗教的な目標と結び付いています。
祝福結婚は、その理想を実現するための重要な儀式とされています。国境や人種を超えた結婚も、教団が掲げる世界平和の理念を表すものとして説明されてきました。
理由2:信仰共同体の結び付きを強める役割合同結婚式は、個人の結婚だけでなく、教団内部の信仰共同体を形成する機能も持っています。
信者同士が同じ宗教的価値観を共有し、結婚や家庭生活を通じて教団との関係を継続する構造が生まれます。
また、宗教2世が参加する場合には、親世代から子世代へ信仰や家庭観が引き継がれる側面もあります。
理由3:国際的なネットワークを形成するため国際合同結婚式では、異なる国籍の男女が夫婦になるケースがあります。教団にとっては、国際的な信者ネットワークを形成する機会にもなってきました。
一方で、国際結婚には、言語や文化の違い、移住に伴う生活上の負担、就労、子育てなどの問題が伴います。結婚の宗教的な意味だけでなく、結婚後の生活を支える仕組みが整っているかどうかが問われます。
合同結婚式をめぐる経緯と真相をどう理解するか合同結婚式については、極端な噂や断片的な情報が流通することもあります。しかし、実態を理解するには、教団の公式説明、元信者の証言、報道機関の取材、司法判断を区別する必要があります。
- 教団が説明する事実:祝福結婚は宗教的な家庭形成を目的とした儀式であり、国際的な結婚を推進してきた。
- 元信者が証言する内容:相手選びや参加条件、献金などについて、本人の意思だけでは決められないと感じた経験がある。
- 報道で確認できる動向:1990年代の大規模開催、2023年の参加費用、2026年の韓国での開催など。
- 司法判断で認定された問題:長期にわたる違法な献金勧誘などによる財産的・精神的被害。
宗教的な結婚制度を選択する人の存在を否定する必要はありません。しかし、本人の意思、経済的な負担、結婚後の生活、人権が守られているかは、宗教の教義とは独立して検証されるべき問題です。
合同結婚式に関するよくある質問(FAQ)
Q1:合同結婚式は現在も行われていますか?
A1:はい。2026年5月2日には韓国の京畿道加平で開催されたことが共同通信によって報じられています。日本から約430人を含む約1,000人の新郎新婦が参加したとされています。ただし、日本の旧統一教会は同年6月に解散命令が確定しており、従来の宗教法人としての活動とは区別して考える必要があります。
Q2:合同結婚式では結婚相手を自分で選べないのですか?
A2:一律にそうとはいえません。旧統一教会では、文鮮明による写真マッチングや親による父母マッチングなど、時代によって異なる選定方式が存在しました。すでに相手が決まってから式典に参加するケースもあります。
Q3:合同結婚式に参加するには140万円必要ですか?
A3:140万円という金額は、2022年のTBS報道で元信者が証言した過去の参加費用です。2023年には一般信者70万円、2世信者20万円という報道もあり、時期や参加者によって異なります。2026年現在の全参加者に適用される統一料金として確認されたものではありません。
Q4:合同結婚式に参加すると法律上の夫婦になりますか?
A4:宗教上の祝福と法律上の婚姻成立は別です。海外で結婚した場合は、婚姻が現地の法律に従って成立しているかが重要になります。日本での戸籍上の手続きについては、法務省が国際結婚に関する案内を公表しています。
Q5:旧統一教会の解散によって、信者の結婚は無効になりますか?
A5:なりません。解散命令は宗教法人としての法人格に関する判断であり、過去に成立した個人の婚姻を一律に無効とするものではありません。個々の婚姻の法的効力は、成立時の法律や手続きによって判断されます。
Q6:2026年現在、旧統一教会の被害者は救済を受けられますか?
A6:清算手続きにおける債権申出が受け付けられています。法務省・法テラスの案内では、受付期間は2026年5月20日から2027年5月20日までです。献金被害などについて相談したい場合は、法テラスや弁護士などの専門窓口に確認が必要です。
合同結婚式とは、複数のカップルが同時に結婚の儀式を行う形式であり、日本では特に旧統一教会の祝福結婚式を指す言葉として広く知られています。
その歴史は1960年の韓国での開催に始まり、1980年代から1990年代にかけて大規模な国際結婚式へと発展しました。結婚相手の選定に教団指導者や親が関与する仕組み、参加に伴う献金、日本人女性と韓国人男性の国際結婚など、独特の特徴を持っています。
一方、2026年は制度を取り巻く環境が大きく変わりました。3月の東京高裁による解散命令維持、6月の最高裁による特別抗告棄却によって、日本での宗教法人としての存続は認められなくなりました。しかし、5月には韓国で合同結婚式が開催されており、信者個人の信仰活動と日本の宗教法人の清算は別の問題として扱われています。
今後、特に注目されるのは次の3点です。
- 被害者救済:国内外にいる元信者や被害者に清算手続きの情報が行き渡るか。
- 結婚後の支援:韓国に移住した日本人女性などが、生活上の問題や精神的・経済的な被害について相談できるか。
- 教団の今後:日本での清算手続きと、海外を含む信者の宗教活動がどのように推移するか。
合同結婚式を理解するうえで大切なのは、宗教的な理想と、結婚する本人の自由や生活の現実を分けて考えることです。結婚相手を選ぶ権利、経済的な負担に対する納得、結婚後の安全と生活を守る仕組みがあって初めて、個人の人生に関わる選択として尊重されます。
2026年以降は、解散命令の確定だけで問題が終わるわけではありません。長年にわたって合同結婚式に関わってきた人々の生活と、被害を受けた人々の救済がどこまで進むのかが、引き続き問われています。