サウジアラビア対日本のサッカー代表戦は、アジアの勢力図を読み解くうえで見逃せないカードだ。2026年11月現在、両国の直近の対戦では、2024年10月に日本がアウェイで2-0の勝利を収め、2025年3月にはホームで0-0の引き分けとなった。直近2試合だけを見ても、日本が常に得点を重ねられる相手ではないことが分かる。
通算成績は日本の11勝2分5敗(18試合)。さらに2026年10月7日発表のFIFAランキングでは、日本が17位、サウジアラビアが55位となっている。2026年FIFAワールドカップの結果も踏まえると、両国の現在地には明確な差がある。ただし、サウジアラビアにはホームでの強さや独特の試合運びがあり、ランキングだけで勝敗を決めつけることはできない。
【試合結果】2024年の日本2-0勝利と2025年の0-0引き分けを検証

サウジアラビア対日本を調べる際、まず押さえたいのが2024年と2025年の2試合だ。どちらもFIFAワールドカップ2026アジア最終予選(3次予選)で行われたが、試合内容と結果には大きな違いがあった。
2024年10月10日:日本が敵地ジッダで2-0の完封勝利2024年10月10日(日本時間11日)、日本代表はサウジアラビアのジッダにあるキング・アブドゥッラー・スポーツシティ・スタジアムで対戦した。
結果はサウジアラビア0-2日本。得点者は鎌田大地と小川航基だった。
試合が動いたのは14分。堂安律のサイドチェンジから三笘薫が折り返し、守田英正が落としたボールを鎌田大地が押し込んだ。日本は早い時間帯に先制し、試合の主導権を握る。
そして81分、コーナーキックから小川航基が追加点。終盤の重要な時間帯にリードを2点へ広げ、日本はアウェイで勝ち点3を獲得した。
特筆すべきなのは、ジッダでの過去の対戦が日本にとって難しいものだったことだ。日本サッカー協会の試合レポートによれば、日本はそれまでジッダで3試合を戦い、いずれも0-1で敗れていた。2024年の勝利は、その苦手意識を払拭する意味でも大きかった。
この試合は日本がアジア最終予選の開幕から3連勝を達成した一戦でもある。鎌田と小川の得点だけでなく、相手の変更した布陣に対応した守備組織も勝利を支えた。
試合結果と得点経過は、日本サッカー協会およびJリーグ公式記録で確認できる。
2025年3月25日:埼玉スタジアムでスコアレスドロー約5か月後の2025年3月25日、日本は埼玉スタジアム2002でサウジアラビアと再び対戦した。
試合結果は日本0-0サウジアラビア。日本はホームで何度かチャンスをつくったものの、最後までゴールを奪えなかった。
この試合で注目したいのは、日本がすでにワールドカップ本大会出場を決めていたことだ。3月20日のバーレーン戦で本大会出場を確定させた日本は、サウジアラビア戦で先発メンバーを6人変更。森保一監督は選手の起用を調整しながら試合に臨んだ。
JFAの公式レポートによると、日本は6勝2分けで勝ち点20に到達し、2試合を残してグループC首位を確定させた。したがって、この引き分けを単純に日本の実力低下と結びつけるのは適切ではない。
一方、サウジアラビアにとっては、強豪日本を無失点に抑えた結果だった。日本がボールを保持して攻め込んでも、相手の守備を崩し切れなければ勝利には結びつかない。その難しさを示した試合でもある。
【歴代戦績】日本代表とサウジアラビア代表の通算成績は18試合11勝2分5敗
日本代表とサウジアラビア代表の通算対戦成績は、日本の11勝2分5敗。18試合で日本が勝ち越している。
総得点でも日本が27点、サウジアラビアが13点と、日本が14点上回る。勝利数、引き分け数、得点数のいずれから見ても、日本が優勢な対戦カードだ。
ただし、歴代戦績を時系列で見ると、必ずしも日本が一方的に勝ち続けてきたわけではない。1990年代にはサウジアラビアが勝利した試合もあり、2017年や2021年のワールドカップ予選でも日本は敗れている。
| 時期・大会 | 試合結果 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 1990年 アジア競技大会 | サウジアラビア2-0日本 | サウジアラビアが勝利 |
| 2000年 アジアカップ | 日本4-1サウジアラビア | 日本が3点差で勝利 |
| 2007年 アジアカップ | 日本2-3サウジアラビア | サウジアラビアが接戦を制す |
| 2011年 アジアカップ | 日本5-0サウジアラビア | 日本の最大級の勝利 |
| 2017年 W杯アジア最終予選 | サウジアラビア1-0日本 | 敵地で日本が敗戦 |
| 2021年 W杯アジア最終予選 | サウジアラビア1-0日本 | サウジアラビアがホームで勝利 |
| 2022年 W杯アジア最終予選 | 日本2-0サウジアラビア | 日本がホームで完封勝利 |
| 2024年10月10日 W杯アジア最終予選 | サウジアラビア0-2日本 | 鎌田大地、小川航基が得点 |
| 2025年3月25日 W杯アジア最終予選 | 日本0-0サウジアラビア | 埼玉でスコアレスドロー |
※通算18試合の数字は日本代表のAマッチ対戦記録に基づく。親善試合や大会の算入範囲によって試合数が異なるデータベースもあるため、比較する際は集計対象をそろえる必要がある。
日本サッカー協会の2025年3月の対戦チーム情報と、歴代Aマッチ記録を掲載するSoccer D.B.でも、両国の対戦経緯を確認できる。
日本が勝ち越している理由日本の優位性を支えているのは、複数の大会を通じて安定したチームづくりを続けてきたことだ。アジアカップ、ワールドカップ予選、国際親善試合と、異なる条件で対戦しても勝利を積み重ねている。
特に2011年の5-0、2022年の2-0、2024年の2-0は、日本が相手の攻撃を封じながら得点を重ねた試合として印象に残る。
一方、2017年と2021年の敗戦は、サウジアラビアのホームで戦う難しさを示している。通算成績では日本が上でも、敵地では試合環境や相手のプレッシャーが結果に影響する。
【スタメン・得点者】2024年と2025年のメンバーを比較
サウジアラビア対日本のスタメンを比較すると、両チームの戦い方の変化が見えてくる。
2024年10月10日の日本代表スタメン2024年の日本は、鈴木彩艶をGKに置き、板倉滉、谷口彰悟、町田浩樹の3バックを採用した。
中盤には遠藤航と守田英正、両サイドには堂安律と三笘薫を配置。南野拓実と鎌田大地が2シャドーを務め、最前線には上田綺世が入った。
主な先発メンバーは次の通り。
- GK:鈴木彩艶
- DF:板倉滉、谷口彰悟、町田浩樹
- MF:遠藤航、守田英正、堂安律、三笘薫
- 攻撃的MF:南野拓実、鎌田大地
- FW:上田綺世
フォーメーションは3-4-2-1。攻撃時には両ウイングバックが幅を取り、守備時には5-4-1へ変化する柔軟なシステムだった。
鎌田大地が14分に先制し、途中出場した小川航基が81分に追加点を挙げた。交代選手が結果に直結した点も、この試合の特徴だった。
2025年3月25日の日本代表スタメン2025年の試合では、森保監督が前節から先発6人を変更した。GKは引き続き鈴木彩艶が務め、前田大然が中央の攻撃役に入った。
JFA公式記録に掲載された主な先発選手は、鈴木彩艶、菅原由勢、高井幸大、板倉滉、伊藤洋輝、遠藤航、田中碧、中村敬斗、鎌田大地、久保建英、前田大然らだ。
2024年と比較すると、守備陣と攻撃陣の組み合わせが変わり、若手選手の起用も進んでいた。2025年の試合は、勝利だけでなく選手層の確認という意味合いも持っていた。
両試合のスタメンと交代記録は、日本サッカー協会の公式試合記録に掲載されている。
【戦術比較】日本代表とサウジアラビア代表は何が違う?
日本代表とサウジアラビア代表の違いは、単純な個人能力の比較だけでは説明できない。ボールを保持する位置、サイドの使い方、守備ブロックの形成、試合展開への対応力に注目する必要がある。
日本代表:組織的な連係とサイド攻撃が強み日本代表の特徴は、複数の選手が連動して攻撃を組み立てることだ。
2024年の試合では3-4-2-1を基本形とし、堂安律と三笘薫が両サイドで攻撃の起点になった。遠藤航と守田英正は中盤で攻守のバランスを取り、鎌田大地と南野拓実が相手の守備ラインと中盤の間でプレーした。
特に重要だったのは、相手が予想と異なる4バックで臨んでも、選手たちが試合中に対応できたことだ。
JFAの公式レポートでも、相手の布陣変更を想定して準備していたことや、守備時に5-4-1のブロックを形成したことが紹介されている。
このように日本は、ボールを保持して攻める時間と、相手の攻撃を受け止める時間を使い分けられる点が強みとなっている。
サウジアラビア代表:技術とホーム環境を生かした攻撃サウジアラビア代表は、個々の選手の技術力やボールコントロールを生かした攻撃を特徴とする。サイドからの仕掛けや、相手の守備陣形が崩れた瞬間を狙う攻撃には警戒が必要だ。
2024年10月の試合では、サウジアラビアがサイドから積極的に攻めた。しかし日本はウイングバックと3バックの連係を保ち、相手の攻撃を効果的に封じた。
サウジアラビアにとって大きな武器になるのがホーム環境だ。ジッダなどでの試合では、観客の後押しや気候条件が試合のテンポに影響する可能性がある。
実際、2017年と2021年のワールドカップ予選では、日本はサウジアラビアのホームで1点差の敗戦を経験している。
両国の戦術的な違い- 日本:組織的なポゼッション、連動したサイド攻撃、複数の選手による守備のカバー。
- サウジアラビア:個人技、サイドからの攻撃、ホーム環境を生かした積極的な試合運び。
- 勝敗の分岐点:日本が中盤を支配できるか、サウジアラビアが攻守の切り替えで日本の守備を崩せるか。
2024年の2-0と2025年の0-0は、こうした戦術的な違いを理解するうえで重要な比較材料になる。
【2026年最新】FIFAランキングとワールドカップの結果から見る両国の実力差
2026年11月現在、両国の実力を比較するうえで参考になるのが、FIFAランキングと2026年ワールドカップの結果だ。
FIFAランキングは日本17位、サウジアラビア55位2026年10月7日に更新されたFIFA男子世界ランキングでは、日本が17位、サウジアラビアが55位だった。
両国には38ランクの差がある。日本はアジア勢の最上位を維持しており、サウジアラビアも10月のランキングでは3つ順位を上げている。
サウジアラビアは2026年10月のアラビアン・ガルフ・カップで優勝。決勝ではUAEを2-0で下し、その大会での成績がランキング上昇にもつながった。
つまり、ワールドカップでの苦戦後も、サウジアラビアは国内外の大会を通じて立て直しを図っている。
2026年FIFAワールドカップでの両国の結果2026年の北中米ワールドカップは、6月から7月にかけて開催された。両国の結果には違いが表れている。
日本はグループステージを突破し、ラウンド32に進出。しかしブラジルとの試合では1-2で敗れ、ベスト16進出はならなかった。日本の得点者は佐野海舟だった。
一方、サウジアラビアはグループHで3試合を戦い、ウルグアイと1-1、スペインに0-4、カーボベルデと0-0。2分け1敗の勝ち点2でグループ最下位となり、決勝トーナメント進出を逃した。
FIFAの大会総括でも、日本はラウンド32まで進んだアジア勢として取り上げられた一方、サウジアラビアはグループステージで勝利を挙げられなかったチームに含まれている。
この結果からも、国際舞台での競争力という点では、日本が一歩先を進んでいることがうかがえる。
2026年11月時点の比較- 日本代表:FIFAランキング17位。2026年ワールドカップでラウンド32進出。
- サウジアラビア代表:FIFAランキング55位。ワールドカップではグループステージ敗退。
- サウジアラビアのプラス材料:2026年10月のアラビアン・ガルフ・カップ優勝。
参考資料はFIFA公式ランキング、アジアサッカー連盟のランキング発表、JFAのワールドカップ試合記録、サウジアラビアサッカー連盟の大会記録だ。
【勝敗予想】次回のサウジアラビア対日本で注目すべきポイント
2026年11月3日時点で、両国の直近の公式対戦は2025年3月25日の0-0だ。次回対戦の日時やスタメンが確定しているわけではないが、これまでの戦績と2026年の実績から、勝敗を左右する要点は整理できる。
日本が優位に立つ条件日本が勝利するためには、中盤で主導権を握り、相手の守備ブロックを横方向に動かすことが重要になる。
特にサイド攻撃と中央の連係を組み合わせ、相手の守備陣形に生じた隙を突くことが求められる。2024年の試合で見せたように、攻撃だけでなく守備の切り替えを徹底できれば、日本が優位に試合を進める可能性は高い。
サウジアラビアが勝利する条件サウジアラビアが日本を苦しめるには、日本の中盤からの組み立てを制限し、ボールを奪った直後の攻撃を効果的に使うことが重要だ。
特にホーム開催の場合は、観客の後押しや慣れた環境を生かせる。日本が前がかりになったところでサイドのスペースを突けば、過去の対戦と同様に接戦へ持ち込める可能性がある。
勝敗予想の判断基準中立地での対戦なら、通算成績、FIFAランキング、2026年ワールドカップの実績を踏まえ、日本優位と評価するのが妥当だ。
ただし、サウジアラビアのホームゲームでは評価が変わる。日本がボールを保持していても、相手の守備を崩せなければ2025年のような引き分けになる可能性がある。
次回の勝敗を予測する際には、FIFAランキングだけでなく、直近の代表招集メンバー、主力選手のコンディション、開催地、先発メンバー、試合前の戦術変更を確認したい。
特に鎌田大地、小川航基、三笘薫らの攻撃面での役割と、サウジアラビアの守備組織への対応が見どころになる。
【よくある質問】サウジアラビア対日本に関するFAQ
Q1:サウジアラビア対日本の2024年の試合結果は?
A1:2024年10月10日のFIFAワールドカップ26アジア最終予選で、日本がアウェイで2-0の勝利を収めた。鎌田大地が14分、小川航基が81分に得点している。
Q2:2025年3月25日の日本対サウジアラビアの結果は?
A2:埼玉スタジアム2002で行われた試合は0-0の引き分けだった。日本はすでにワールドカップ出場を決めており、先発6人を変更して試合に臨んだ。
Q3:日本代表とサウジアラビア代表の通算成績は?
A3:Aマッチの集計では18試合で日本が11勝2分5敗。総得点は日本27点、サウジアラビア13点となっている。
Q4:サウジアラビア代表の2026年最新FIFAランキングは?
A4:2026年10月7日更新の男子ランキングで55位。日本は17位で、両国には38ランクの差がある。
Q5:2024年の日本代表の得点者は誰?
A5:鎌田大地と小川航基の2人。鎌田が14分に先制し、小川が81分に追加点を挙げた。
Q6:2026年ワールドカップで日本とサウジアラビアはどうなった?
A6:日本はラウンド32に進出したがブラジルに1-2で敗れた。サウジアラビアはグループHで2分け1敗となり、グループステージで敗退した。
サウジアラビア対日本の歴代戦績を振り返ると、18試合で日本が11勝2分5敗と大きく勝ち越している。得点数も日本27点、サウジアラビア13点であり、長期的には日本が優位な対戦カードだ。
直近では2024年10月に日本が敵地で2-0の勝利を収め、2025年3月には0-0で引き分けた。両試合は、日本の組織的な戦術とサウジアラビアの守備力がぶつかる構図をよく表している。
2026年のFIFAランキングは日本17位、サウジアラビア55位。ワールドカップでも日本は決勝トーナメントへ進出し、サウジアラビアはグループステージで敗退した。ただし、サウジアラビアは同年10月にアラビアン・ガルフ・カップを制しており、今後の巻き返しにも注目したい。
【プロの結論】 両国の実力差を判断するなら、通算勝敗、FIFAランキング、国際大会の成績、戦術的な完成度を総合的に見るべきだ。現状では日本が優勢だが、サウジアラビアのホームでの試合や守備的な展開では、接戦になる可能性が十分にある。
次回の対戦を予想する際は、過去の勝敗だけでなく、最新の代表メンバーと開催条件を確認することが大切だ。日本がアジアでの優位を維持するのか、それともサウジアラビアが再び日本を苦しめるのか。今後の両国の代表戦にも注目が集まる。
主な参照資料: 日本サッカー協会(JFA)の2024年・2025年公式試合記録、Jリーグ公式試合データ、Soccer D.B.のAマッチ対戦記録、FIFAの2026年大会記録・世界ランキング、アジアサッカー連盟、サウジアラビアサッカー連盟。