2017年にTBS日曜劇場で放送されたドラマ『陸王』。役所広司演じる宮沢紘一が、老舗足袋製造会社「こはぜ屋」の再建を目指して奮闘する姿とともに、視聴者の心をつかんだのが、劇中で流れる楽曲「Jupiter」です。歌っているのは、女性ボーカルグループのLittle Glee Monster(リトルグリーモンスター)。ただし、正確には主題歌ではなく、ドラマの重要な場面で使用された劇中歌です。
加えて、原曲を歌った平原綾香との関係や、プロデューサーがリトグリを起用した経緯、第1話でのサプライズ演出、後に登場した「糸」、服部隆之が手がけたオリジナルサウンドトラックなど、知っておきたい音楽情報があります。2026年現在も検索される『陸王』の音楽について、TBS公式発表とアーティストのインタビュー、音楽配信情報をもとに整理します。
【結論】陸王の主題歌は誰が歌っている?JupiterはLittle Glee Monsterの劇中歌

最初に答えを整理すると、ドラマ『陸王』で話題になった「Jupiter」を歌っているのは、Little Glee Monsterです。
ただし、TBSの公式スタッフ情報では、同曲は「主題歌」ではなく「劇中歌」として扱われています。この違いが、検索時に混乱が生じる大きな理由です。
TBS公式サイトのスタッフ欄には、音楽担当として服部隆之、劇中歌の担当としてLittle Glee Monsterがそれぞれ記載されています。独立した主題歌の歌唱アーティストとして、リトグリが紹介されているわけではありません。
「音楽:服部隆之」「劇中歌:Little Glee Monster」
つまり、リトグリの「Jupiter」は作品のために新たに制作されたオリジナル主題歌ではなく、既存の名曲をカバーした劇中歌です。「陸王の主題歌」として検索されることが多いものの、公式な音楽クレジット上の分類は劇中歌というのが正確な答えです。
一方、ドラマ全体の音楽を構成するメインテーマ「陸王 -Main Theme-」は、服部隆之が手がけています。TBSは2017年11月28日の公式発表で、このメインテーマをサウンドトラックの発売に先駆けてiTunesで配信すると案内しました。
したがって、歌声で印象に残る「Jupiter」と、ドラマの世界観を音楽で支える「陸王 -Main Theme-」は、別々の役割を持つ楽曲として理解する必要があります。
【第1話の秘密】Jupiterが陸王に起用された経緯と印象的な使用場面
「Jupiter」が初めてドラマで流れたのは、2017年10月15日放送の第1話です。
TBS公式の第1話あらすじによると、物語の中心となるのは、埼玉県行田市の老舗足袋製造会社「こはぜ屋」。四代目社長の宮沢紘一は、足袋の需要減少によって経営難に直面し、会社を存続させるために新たな事業を模索します。
足袋作りで培った技術を生かし、裸足感覚のランニングシューズを開発するという挑戦です。宮沢は息子の大地とともに豊橋へ向かい、実業団ランナーの茂木裕人や毛塚との関わりを深めていきます。
そんな第1話で、宮沢の心情を表現する場面に流れたのが、Little Glee Monsterによる「Jupiter」でした。
起用のきっかけはプロデューサーのライブ体験TBSが2017年10月16日に公開した公式発表では、プロデューサーの伊與田英徳が同年春にLittle Glee Monsterのライブを訪れ、その歌声に感動したことが起用につながったと説明しています。
つまり、最初から人気曲をタイアップとして採用するという一般的な発想だけではなく、実際のライブパフォーマンスを見た制作側の評価が出発点だったのです。
さらに興味深いのは、リトグリのメンバー自身も、第1話で楽曲が使用されるタイミングを事前に知らされていなかったことです。
2017年11月のリアルサウンドのインタビューでは、メンバーのアサヒが、実際に放送されるまで劇中歌として流れることを知らなかったと振り返っています。視聴者だけでなく、歌った本人たちにとっても驚きのある演出でした。
第1話から第5話までの楽曲の変化TBSの2017年11月10日の公式ニュースでは、第3話までにリトグリの劇中歌として流れたのは「Jupiter」だったと説明されています。また、今後は場面によって使用する楽曲が変わる予定であることも告知されました。
その後、11月19日放送の第5話では、Little Glee Monsterがカバーした中島みゆきの「糸」が使用されます。2017年12月10日公開のリアルサウンドの記事では、宮沢大地が自分の殻を破って工場へ駆け込む場面と「糸」の歌唱が重なったことが紹介されています。
このように、『陸王』の劇中歌は「Jupiter」だけで完結するものではありません。登場人物の心情や物語の展開に合わせて、複数のカバー曲が使われていました。
【原曲との違い】平原綾香のJupiterとLittle Glee Monster版を比較
「Jupiter」という曲を知っている人の多くが最初に思い浮かべるのは、平原綾香の歌唱でしょう。
実際、『陸王』で流れたLittle Glee Monster版は、平原綾香が歌った「Jupiter」を原曲とするカバーです。同じ曲でありながら、歌声の構成や表現方法に違いがあります。
平原綾香版は2003年に発表されたデビュー曲平原綾香の「Jupiter」は、2003年12月17日に発売されたデビューシングルです。
楽曲の原型は、イギリスの作曲家グスターヴ・ホルストが作曲した組曲『惑星』の中の「木星(Jupiter)」です。その雄大な旋律をもとに、日本語の歌詞を付けてポップスとして仕上げられました。
平原綾香の公式ディスコグラフィーでも、この作品はデビューシングルとして紹介されています。ホルストのクラシック作品を日本語の歌として再構成したことが、楽曲の大きな特徴です。
リトグリ版は5人のハーモニーを生かしたカバー一方、Little Glee Monster版の特徴は、複数のメンバーによる歌声の重なりです。
2017年12月31日公開のリアルサウンドのインタビューでは、メンバーのかれんが、幼い頃から「Jupiter」を歌っていたため、平原綾香の歌い方が体に染み付いていたと振り返っています。そのうえで、自分たちらしい表現を探しながらレコーディングに取り組んだことを明かしました。
また、manakaは平原綾香の歌声との違いをどう表現するかに苦労したと語り、芹奈もオリジナルを大切にしながらリトグリならではの新しい作品にする意識があったと説明しています。
同じメロディーを歌っていても、ソロボーカルの表現と複数人によるコーラスワークでは、聴き手が受け取る印象が変わります。『陸王』では、この違いがドラマの感情表現と結びつきました。
なお、TBS公式発表に掲載されたかれんのコメントでは、ハーモニーの細部にこだわり、何度も歌い直してレコーディングしたことも紹介されています。
【関係者・楽曲一覧】陸王の音楽を担当した人物と作品の関係
『陸王』の音楽を理解するには、歌手、原曲のアーティスト、劇伴の作曲家、プロデューサーを分けて考えることが大切です。それぞれの役割を整理すると、主題歌と劇中歌が混同される理由も見えてきます。
| 人物・作品 | 役割・関係 | 確認できる事実 |
|---|---|---|
| Little Glee Monster | 『陸王』の劇中歌担当 | 「Jupiter」「糸」などを歌唱 |
| 平原綾香 | 「Jupiter」のオリジナル歌唱者 | 2003年12月17日にデビューシングルを発売 |
| 服部隆之 | ドラマの音楽担当 | 「陸王 -Main Theme-」などを制作 |
| 伊與田英徳 | プロデューサー | ライブでリトグリの歌声に感動し起用 |
| 中島みゆき | 「糸」の原曲アーティスト | リトグリがカバーした楽曲が第5話で使用 |
| グスターヴ・ホルスト | 「Jupiter」の原旋律の作曲家 | 組曲『惑星』の「木星」を作曲 |
この関係を押さえると、「Jupiterの歌手は誰か」という疑問に対して、質問の意味によって答えが変わることが分かります。
『陸王』で使用されたバージョンの歌手を尋ねているならLittle Glee Monster。オリジナルの日本語歌唱を尋ねているなら平原綾香。加えて、その旋律の作曲者を尋ねているならグスターヴ・ホルストです。
また、服部隆之は劇伴を担当する作曲家であり、Little Glee Monsterとは担当領域が異なります。TBS公式スタッフ欄にも両者は別々に記載されています。
【2026年最新】陸王のJupiter配信情報とオリジナルサウンドトラック
『陸王』で使用されたLittle Glee Monster版「Jupiter」は、ドラマの放送後に音楽配信が開始されました。
Jupiterの配信開始日は2017年12月3日ソニーミュージックは2017年11月19日、TBS日曜劇場『陸王』の劇中歌として話題になっていた「Jupiter」の配信決定を発表しました。
配信開始日は2017年12月3日です。12月3日付のソニーミュージック公式案内では、iTunes、レコチョク、mora、Apple Music、LINE MUSICなどの配信サービスが紹介されています。
加えて、ソニーミュージックレーベルズの2017年12月5日付の発表によれば、配信初日にはiTunes、レコチョク、LINE MUSICなど複数の音楽配信サイトで1位を獲得しました。ドラマでのサプライズ起用が、音源への関心にもつながったことがうかがえます。
2026年11月現在、Apple MusicのカタログにもLittle Glee Monster名義の「Jupiter - Single」が2017年12月3日配信の作品として掲載されています。ただし、音楽配信の提供状況は国・地域やサービスの契約条件によって異なります。日本国内で聴く場合は、各サービスで「Jupiter Little Glee Monster」と検索するのが確実です。
服部隆之が手がけた陸王オリジナルサウンドトラック「Jupiter」とは別に、ドラマの世界観を音楽で支えているのが服部隆之によるオリジナルサウンドトラックです。
TBSは2017年11月28日、ドラマのオリジナルサウンドトラックが12月6日に発売されることを公式発表しました。
作品の基本情報は次のとおりです。
- 作品名:TBS系 日曜劇場『陸王』オリジナル・サウンドトラック
- 音楽:服部隆之
- 発売日:2017年12月6日
- 発売元:Anchor Records
- 品番:UZCL-2123
- メインテーマ:陸王 -Main Theme-
サウンドトラックには、メインテーマのほか、「仲間の絆」「それぞれの覚悟」「陸王~こはぜ屋の人々~」など、作品の人物関係や物語の展開を表現する楽曲が収録されています。CDJournalの作品情報では、全22トラックが紹介されています。
また、TBSの発表によれば、メインテーマ「陸王 -Main Theme-」はCD発売前にiTunesで先行配信されていました。
ここで注意したいのは、Little Glee Monsterの「Jupiter」と服部隆之のサウンドトラックは、同じドラマに関係する音楽であっても、作品としての位置づけが異なることです。前者は歌唱曲、後者はドラマ全体を彩る劇伴音楽です。
【音楽の演出を分析】なぜJupiterは陸王の象徴的な楽曲になったのか
『陸王』で「Jupiter」が強く印象に残った背景には、楽曲そのものの知名度だけでなく、ドラマの物語との相性があります。
物語の中心にあるのは、経営難に直面した小さな会社が、周囲の協力を得ながら新しいランニングシューズの開発に挑戦する姿です。宮沢紘一だけでなく、従業員、ランナー、取引先など、さまざまな人物がそれぞれの立場で困難に向き合います。
その中で「Jupiter」が持つ雄大な旋律と、リトグリの力強いハーモニーは、登場人物の不安や希望、誰かを支える気持ちを表現する演出として機能しました。
歌詞のメッセージとドラマのテーマが重なる平原綾香の「Jupiter」は、ホルストの「木星」をもとにした楽曲であり、日本語詞によって人と人とのつながりや支え合いを感じさせる作品になっています。
『陸王』の物語も、個人の能力だけで成功するのではなく、仲間との信頼や協力によって道を切り開いていく内容です。
そのため、楽曲のメッセージと登場人物たちの歩みが自然に重なります。特に、宮沢の心情を表現する場面で使用されたというTBS公式の説明は、単に人気曲を挿入したのではなく、物語の感情を補強する目的があったことを示しています。
主題歌ではなく劇中歌だったからこそのサプライズもう一つ注目したいのが、事前告知をしないまま第1話で使用されたことです。
一般的なドラマの主題歌は、放送開始前にアーティストや楽曲名が発表され、視聴者が事前に認識できるケースが多くあります。
しかし、『陸王』の「Jupiter」は、視聴者がドラマを見ている最中に初めて耳にする形で登場しました。聞き覚えのあるメロディーなのに、歌声が平原綾香とは異なる。そこで初めてLittle Glee Monsterのカバーだと気づくという仕掛けが生まれました。
加えて、後から「糸」も劇中歌として登場したことで、視聴者は次にどんな楽曲が流れるのかという楽しみも持つようになりました。
ドラマの音楽は、主題歌を一曲決めて作品を宣伝するだけが役割ではありません。登場人物の心情や物語の節目に合わせて楽曲を配置することで、視聴者の感情を動かす演出にもなります。『陸王』の音楽構成は、その効果を分かりやすく示した事例です。
「Seasons Of Love」と「糸」を混同しないための注意点TBSの2017年11月10日の公式ニュースでは、撮影現場を訪問したLittle Glee Monsterが「Jupiter」と「Seasons Of Love」の2曲を出演者やエキストラの前で披露したことも紹介されています。
ただし、この2曲は撮影現場でのライブ披露についての情報です。ドラマ内で使用された劇中歌として確認できる「Jupiter」や「糸」と、現場訪問時に披露した曲は、同じ扱いにしてはいけません。
こうした情報を区別すると、陸王の音楽に関する検索結果をより正確に理解できます。
【よくある質問】陸王の主題歌・Jupiterに関するFAQ
Q1:ドラマ『陸王』の主題歌は誰が歌っていますか?
A1:TBS公式スタッフ情報では、独立した主題歌の歌唱者は記載されていません。話題になった「Jupiter」はLittle Glee Monsterが歌う劇中歌です。ドラマの音楽は服部隆之が担当しています。
Q2:陸王のJupiterは平原綾香とLittle Glee Monsterのどちらが歌っていますか?
A2:『陸王』で使用されたバージョンを歌っているのはLittle Glee Monsterです。平原綾香は2003年に「Jupiter」でデビューしたオリジナル歌唱者であり、リトグリはその楽曲をカバーしています。
Q3:Little Glee MonsterのJupiterは現在も配信されていますか?
A3:2017年12月3日にデジタル配信が開始され、Apple Musicなどのカタログにも作品情報が掲載されています。ただし、2026年現在の提供状況は地域やサービスによって異なるため、利用している音楽配信サービスで作品名を検索して確認してください。
ドラマ『陸王』で視聴者の心をつかんだ「Jupiter」は、Little Glee Monsterが歌う劇中歌です。平原綾香が2003年に発表した名曲を、当時のリトグリ5人のハーモニーによって新たに表現したカバー作品でした。
起用のきっかけは、プロデューサーの伊與田英徳が春のライブでリトグリの歌声に感動したこと。2017年10月15日の第1話で事前告知なしに流れたことが話題となり、12月3日の配信開始にもつながりました。
また、劇中歌は「Jupiter」だけではなく、中島みゆきのカバー「糸」も使用されています。ドラマ全体の音楽を担当した服部隆之のオリジナルサウンドトラックとは、別の音楽作品として整理が必要です。
【プロの結論】『陸王』の音楽を調べるときは、「誰が歌ったか」「原曲は誰の作品か」「ドラマ内でどの役割を担ったか」の3点を分けて考えると、情報を正確に整理できます。
「陸王の主題歌」という検索語で探している人が知りたい歌声は、Little Glee Monsterの「Jupiter」。その原曲を知りたい人は平原綾香版、ドラマのメインテーマやBGMを聴きたい人は服部隆之のオリジナルサウンドトラックを確認するとよいでしょう。
放送から年月が経過した2026年現在も、「Jupiter」が『陸王』を象徴する楽曲として記憶されているのは、名曲の魅力だけでなく、作品の感情が最も伝わる場面に歌声を重ねた演出の力があったからです。
主な情報確認先: TBSテレビ『陸王』公式サイト・スタッフ情報・2017年10月16日および11月10日の発表、ソニーミュージック公式発表、平原綾香公式ディスコグラフィー、リアルサウンドの2017年掲載インタビュー、Apple Music作品情報。