松井裕樹がパドレスと契約したのは、2023年12月23日です。球団は左腕リリーフ投手として5年契約を発表し、契約総額は2,800万ドルと報じられました。
この契約で注目すべきなのは、単純な年俸だけではありません。複数年にわたる段階的な昇給、出来高、オプトアウト、契約オプションなど、選手側にも一定の選択肢が設けられています。
5年総額2,800万ドルは保証された金額なのか基本契約は2,800万ドルですが、AP通信が報じた契約条件では、出来高によって最大3,360万ドルまで増額する可能性があります。
その差額は560万ドルです。
出来高の主な基準は、抑え投手として試合を締めた登板数です。報道された条件では、15試合で15万ドル、25・35・45試合で各25万ドル、55試合で50万ドルが設定され、年間最大140万ドルの追加報酬が見込まれていました。
つまり、2,800万ドルは基本契約の総額であり、3,360万ドルは出来高をすべて達成した場合の最大額です。最初から3,360万ドルの受け取りが保証されているわけではありません。
オプトアウトとは?2026年の行使状況オプトアウトとは、複数年契約を途中で破棄し、選手がフリーエージェント(FA)になる権利です。
松井の契約には、2026年シーズン終了後に残りの契約を破棄できる権利が設定されていました。
2026年は防御率1.83という好成績を残しており、FA市場に出れば、より好条件の契約を求められる可能性もありました。
しかし、松井は2026年11月1日、オプトアウトを行使せずパドレスに残留することを決断しました。
MLB公式サイトが11月1日に報じた内容でも、契約を継続することが確認されています。
残留を選んだことで、2027年の650万ドル、2028年の700万ドルという契約条件が引き続き有効となりました。
2027年終了後にもオプトアウトの機会がある今回の決断ですべてのオプトアウト権が消滅したわけではありません。
契約には2027年シーズン終了後にも契約を破棄できる権利が残っています。
また、2028年は選手側の契約オプションとなる条件が報じられています。ただし、2024~2025年の肘の故障に関する契約上の条件に該当した場合は、最終年が球団側のオプションに切り替わる仕組みです。
今後の要点は次の3つです。
- 2026年終了後:オプトアウトを行使せず残留。
- 2027年終了後:再び契約を破棄できる権利がある。
- 2028年:契約条件に基づく選手オプションが設定されている。
したがって、2027年の成績と健康状態は、2028年以降のキャリアを考えるうえでも重要になります。
【2026年の成績を検証】防御率1.83は年俸に見合う活躍だった?

2026年の松井裕樹は、MLB移籍後で最も優れたレギュラーシーズンを送りました。
MLB公式サイトが9月28日に掲載したシーズン総括によると、54試合に登板して5勝1敗、1セーブ、防御率1.83を記録しています。
特に注目したいのは、防御率だけでなく、投球回数も自己最多を更新したことです。
2026年レギュラーシーズンの主要成績
登板数54試合
防御率1.83
勝敗5勝1敗
セーブ・ホールド1S・11H
投球回64.0回
奪三振68個
WHIP
1.14
出典:MLB公式サイトの2026年レギュラーシーズン成績。
防御率は2024年・2025年から大幅に改善
松井のMLB移籍後の防御率を比較すると、2026年の進化がよく分かります。
- 2024年:防御率3.73
- 2025年:防御率3.98
- 2026年:防御率1.83
2024年と2025年は、メジャーの打者への対応や登板環境への適応が課題でした。2026年はそこから大きく改善しています。
開幕前の負傷から勝ちパターンへの復帰2026年は順調なスタートではありませんでした。
2月19日のライブBPで左内転筋を負傷し、出場を予定していたWBC日本代表を辞退。開幕も負傷者リストで迎え、メジャー復帰は5月5日までずれ込みました。
復帰直後は大量リードを許した場面や複数イニングを投げる役割が中心でした。
しかし、好投を続けるにつれて首脳陣の信頼を獲得。シーズン後半には接戦や重要な場面で起用されるようになりました。
MLB公式サイトのシーズン総括では、序盤のロングリリーフ的な役割から、終盤には勝利継投の一角へと変化したことが紹介されています。
ポストシーズンでも5試合に登板し、4回2/3を無失点。ブルワーズとの地区シリーズでは全4試合に登板するなど、重要な場面で起用されました。
この実績は、オプトアウトを行使してFAになる選択肢を考えるうえでも、十分なアピール材料だったと考えられます。
【生涯年俸はいくら?】楽天時代とMLB契約を合算して検証
松井裕樹の生涯年俸を考える際には、楽天時代の推定年俸と、MLBでの保証契約額を分けて計算する必要があります。
楽天時代の2014~2023年の推定年俸を合計すると、約14億4,500万円です。
一方、パドレスとの5年契約は2,800万ドル。1ドル=150円で固定換算すると42億円になります。
この2つを合算すると、契約を2028年まで完了した場合の基本年俸ベースの累計は、次のようになります。
楽天時代の推定年俸累計14億4,500万円
MLBの5年基本契約(150円換算)
42億円
2028年まで契約を完了した場合の合計
56億4,500万円
出来高・税金・代理人手数料・契約金・為替変動などを除いた概算。2027・2028年分は将来の契約額を含みます。
2026年終了時点でどこまで積み上がった?
2026年までのMLB基本年俸は、合計1,450万ドルです。
内訳は次のとおりです。
- 2024年:325万ドル
- 2025年:550万ドル
- 2026年:575万ドル
これを150円換算すると21億7,500万円。
楽天時代の14億4,500万円と合わせると、2026年までの年俸累計は約36億2,000万円という計算になります。
ここには、2013年のドラフト契約金1億円は含めていません。また、楽天時代の年俸は推定値であり、実際の受取額とは異なる可能性があります。
今後、2027年と2028年の基本年俸が支払われれば、基本契約だけでも累計56億円を超える規模になります。
MLB契約金と契約総額は別物もう一つ、混同しやすいのが「MLB契約金」という表現です。
松井の5年総額2,800万ドルは、5年間の基本年俸を合計した契約総額です。
この金額を、契約成立時に一括で受け取る契約金と解釈するのは正しくありません。
また、出来高をすべて達成すれば最大3,360万ドルになるため、実際の最終的な報酬は基本契約額を上回る可能性があります。
【ダルビッシュ有と比較】松井裕樹の年俸は日本人メジャーリーガーの中で高い?
同じパドレスに所属する日本人投手として、比較対象になるのがダルビッシュ有です。
両者は同じチームでプレーする日本人投手ですが、ポジション上の役割やMLBでの経験年数、契約を結んだ時期が異なります。
2026年の契約年俸を比較- 松井裕樹:基本年俸575万ドル
- ダルビッシュ有:2026年の契約上の基本年俸1,500万ドル
単純比較では、ダルビッシュの基本年俸は松井の約2.6倍です。
ただし、ダルビッシュは2026年に右肘の手術からの回復を理由にシーズンを欠場しました。MLB公式発表によると、開幕前に制限リスト入りしており、契約上の年俸と実際の支払い状況を同一視することはできません。
この差は、単純に投手としての実力差を示すものではありません。
ダルビッシュは長年のメジャー実績を持ち、複数の大型契約を経験してきたベテラン。一方の松井は、2024年にメジャーへ移籍した救援左腕です。
契約時の年齢、MLBでの実績、先発と救援という役割の違いが、年俸の差に反映されています。
日本人メジャーリーガーの年俸ランキングを見る際の注意点日本人選手の年俸を比較する場合、大谷翔平、山本由伸、ダルビッシュ有、菊池雄星、鈴木誠也、吉田正尚などが比較対象になります。
ただし、年俸ランキングには複数の集計方法があります。
- 契約書に記載された基本年俸
- 契約金や出来高を含む年間報酬
- 後払いを現在価値に割り引いた金額
- 球団の給与総額に計上される金額
これらを混ぜると、同じ選手でもランキング上の金額が異なる場合があります。
松井の2026年の基本年俸575万ドルは、MLBのトップクラスの大型契約と比べれば控えめです。しかし、リリーフ投手として複数年契約を確保し、2026年には防御率1.83という結果を残したことには大きな意味があります。
【松井裕樹の年俸】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:松井裕樹の2026年の年俸はいくらですか?
A1:575万ドルです。1ドル=150円なら約8億6,250万円、2026年11月3日の約158.2円で換算すると約9億1,000万円になります。
Q2:松井裕樹の2027年の年俸はいくらですか?
A2:650万ドルです。2026年終了後にオプトアウトを行使せず、パドレスとの契約を継続しました。
Q3:松井裕樹の2028年の年俸はいくらですか?
A3:契約上の基本額は700万ドルです。ただし、契約オプションや故障に関する条件が設定されています。
Q4:松井裕樹はオプトアウトを行使しましたか?
A4:いいえ。2026年11月1日に行使しないことが報じられ、パドレス残留が決まりました。2027年終了後にも契約を破棄できる権利があります。
Q5:楽天時代の松井裕樹の最高年俸はいくらですか?
A5:2020~2023年の4年間で、推定年俸2億5,000万円でした。
Q6:松井裕樹の生涯年俸は何億円ですか?
A6:楽天時代の推定年俸とパドレスの5年基本契約を合算すると、1ドル=150円換算で約56億4,500万円です。ただし、これは2028年まで契約を完了した場合の概算で、出来高や税金などは含みません。
Q7:松井裕樹の2026年の防御率はいくつですか?
A7:レギュラーシーズンの防御率は1.83です。54試合に登板し、5勝1敗、1セーブ、11ホールドを記録しました。
松井裕樹の2026年の年俸は575万ドル。楽天時代の最高年俸2億5,000万円から大幅に増え、MLBでの5年総額2,800万ドルという大型契約を手にしています。
2026年は防御率1.83、54試合登板という自己最高のシーズンを送り、オプトアウトを行使せずパドレス残留を決断しました。
今後の注目点は、2027年の650万ドルという年俸に見合う活躍を続けられるか、そして2027年終了後に再びオプトアウトを検討するかどうかです。
特に2026年の防御率1.83は、メジャーでの適応が進んだことを示す重要な実績です。左腕リリーフとしての役割を確立できれば、2028年以降の契約やFA市場での評価にも好影響を与える可能性があります。
楽天の守護神からパドレスの重要な救援投手へ。松井裕樹の年俸推移は、日本で積み上げた実績がMLBでの評価につながったキャリアの歩みそのものです。
今後は2027年の成績と、シーズン終了後の契約判断が大きな焦点となります。